角川文庫 昭和59年
ボクは間違って考えていた、「ジョン万次郎」と「ジョン
万作」を間違えていたのだ。
「ジョン万作」とは犬の名前であり、ボクが想像していた
のとは全く違っていた。宗教がらみの構成のしっかりとした
凝ったつくりの話しだった。いや、これはすっきりと書かれていて
そのスゴさはちょっとわかりづらいかもしれないが、この作
品集に入っている作品すべてに「小説」の可能性に挑戦する
姿勢が見て取れる。
「悶絶エビフライライス」はハードパンチャーな作風ストーリー
なパンクだ。いや、これをパンクと言わずしてどうする、という
感じだ。この作品集の中で一推しである。
ただ、目に割り箸をツッコンで痛くないのかなあ、と思う。いや、
相当イタいはずだ。つまようじを頭に刺すのもイタいだろうしさ
あ。ああ、やっぱりこれはパンクだ......合掌。