文春文庫 1991年
「倉庫作業員」や「皿洗い」はいってみれば、プロレタリアート
ともいうべき労働小説であると思うのだが、椎名節も影を潜め
実にマジメに小説しているのだった。
「倉庫~」は山田洋次監督によって「息子」という映画になり、
「三羽のアヒル」は自身監督によって映画化されたという。
どれも大なり小なり私小説という形をとっているらしい。
うーん、なんだプロレタリアートもこんな風な切り口にすれば
読み物としておもしろくなるんだ、と納得した。
しみじみと人はそれぞれ人生というものを生きているのだなあ
、と思ったのだった......合掌。