映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

リグレッション

2019年10月18日 | 映画(ら行)

記憶退行で・・・

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1980~90年代初頭のアメリカで、悪魔崇拝者による儀式が次々と告発され、
社会的な問題となった・・・ということから着想を得た作品。

 

90年代、ミネソタ。
刑事であるブルース・ケナー(イーサン・ホーク)は
父親の虐待を告発した少女・アンジェラ(エマ・ワトソン)の事件を担当します。
しかし、その父親の記憶がどうも曖昧。
ケナーは著名な心理学者に協力を仰ぎ、真相究明を図ろうとします。
すると、これは単なる家庭内暴力ではなく、町の各所で起こる他の事件との関連が見えてきます。
町には秘められた闇があるのか・・・?

 

精神科医が人を催眠状態にして、本人も覚えていないようなことを「記憶退行」させ、
恐るべき真実を導き出す・・・というやり方が、その頃よく用いられていたのです。
現在ではそのやり方は誤った記憶を作り出してしまうとして使われていないようです。

 

宇宙人に連れ去られた・・・などという話も、
こんなやり方で出てきたのではなかったでしょうか?

しかし当時は大真面目にこれが通用していて、
父親の怪しげな記憶から、町中に悪魔崇拝者が潜んでいるかのような
恐ろしい推測がなされてしまうのです。
当のケナーも悪夢にうなされたりする。

 

しかし本作、実はこうしたことを逆手にとったある陰謀の話なんですね。

ちょっぴりぞっとしてしまうストーリーでした。

 

リグレッション[DVD]
イーサン・ホーク,エマ・ワトソン
ポニーキャニオン

WOWOW視聴にて>

「リグレッション」

2015年/スペイン・カナダ/106分

監督:アレハンドロ・アメナバール

出演:イーサン・ホーク、エマ・ワトソン、デビッド・シューリス、ロテール・ブリュトー

 

幻想性★★★★☆

恐怖度★★★☆☆

満足度★★★.5