証明不能の殺人
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都会で連続する殺人事件。
その現場では必ず黒スーツの男が目撃されています。
「電話ボックスに殺人の依頼を書いた紙を貼ると、実行してくれる」
そんなウワサがSNSで流れています。
この連続殺人は、そんな都市伝説が現実となったものなのか・・・?
刑事の多田(沢尻えりか)と百々瀬(新田真剣佑)が
この事件の捜査に当たります。
これら、連続殺人らしき事件、
死因は病死や自殺など、「殺人」が立証できないものばかり。
それは犯人・宇相吹正(松坂桃李)が、
人の思い込みやマインドコントロールを利用してターゲットを殺害するから。
たとえば、犯人が被害者に強い自己暗示をかけて、
「この瓶の中にスズメバチがいる」と言います。
実は枯れ葉が入っているだけなのですが。
しかし被害者はその中に本当のスズメバチを見ており、
そのスズメバチが放たれるとたちまち襲われ、悲鳴を上げて苦しみ始めます。
実は、何も起こっていないのに。
しかしそれが現実と思い込んだ被害者は、
実際に顔が刺されたかのように腫れ上がっており、心臓マヒで死んでしまった。
こんな風に、実際にはなんの証拠もなく、
立証不可能な犯罪を「不能犯」と呼ぶわけです。
だから犯人はこれが犯罪として立証できるはずがないと思っており、
犯罪現場で平気で姿を現すし、あっさりと警察に連行されたりもする。
しかし事情聴取に当たった刑事が、またおかしな暗示をかけられてしまったりもして・・・。
非常にやっかいですね。
しかしこの殺人は犯人のサイコパス的理由から起こるのではなくて、
あくまでも依頼人が居るのです。
そんな中には確かに、憎しみを受ける対象が実際にどうにもならない悪党とか虐待者であったりする。
悪人だから殺されていいというわけではないけれど、
中には人助け的な意味があったりするのも、
ひねりがきいていて、面白いと思いました。
松坂桃李さんの、影を抱いた感じ、悪くありません。
<WOWOW視聴にて>
「不能犯」
2018年/日本/106分
監督:白石晃士
原作:宮月新
出演:松坂桃李、沢尻エリカ、新田真剣佑、間宮祥太朗、矢田亜希子、安田顕
不能犯度★★★★☆
サスペンス度★★★☆☆
満足度★★★.5
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