映画と本の『たんぽぽ館』

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世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方

2017年03月24日 | 映画(さ行)
ちびっこギャングのバイタリティ!



* * * * * * * * * *

ドイツの中央部、平凡で、何もかもが“平均的”な村と認定されたボラースドルフ。
そこへ消費者調査会社が新製品のモニター調査にやってきます。
商品調査に夢中になった大人たちは老人を邪魔者扱いし、
老人ホームに入れてしまいました。
村の子どもたちはまずい青汁フレークを食べさせられたり、
大好きなおじいちゃん、おばあちゃんがホームに入れられてしまったりするのが不満。
おじいちゃん、おばあちゃんをとりもどすには
村を“平凡”でなくすればいいのだと考えた子どもたちは、
「ハナグマ・ギャング団」を結成。
ハナグマのクアッチと共に、幾つかの奇抜なアイデアを実行しようとします。





無邪気で元気を通り越して破天荒な子どもたちの様子が、
あまりにも可愛らしくて、つい微笑んでしまいます。
・・・が、それだけの作品だったかも。
もちろん、過度な消費社会や老人をないがしろにする社会への
警鐘を込めた皮肉の意味もありますが・・・。
でもイチゴミルクのプールで泳ぎたいとはぜんぜん思わないしな。



しかしつい感じたのは、近年の日本の子どもたちに、
こんなふうなちびっこギャング的バイタリティが見られないなあ・・・ということ。
みな、ミニサイズの大人みたいだ。



まあそれにしても、この元気でユニークな発想に満ちた老人たち。
彼らに育てられた息子・娘(つまり本作の子どもたちのパパ・ママ世代)も
実はかなりユニークなはず。
だからこそ、こんなにやんちゃな子どもたちができる。
とすれば、実はこの村が最も「平均的」というのがそもそもの読み間違いなのではあるまいか。
人口や職種、年収の度合いという単なる数字のデータだけで
「平均」を決めてはいけない。
そこにある「風土」のようなものを考慮しなくては・・・。
などというつまらぬ感想でお茶を濁して
・・・おしまい。



「世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方」
2014年/ドイツ/83分
監督:ファイト・ヘルマー
出演:ノラ・ボーネル、ジャスティン・ウィルケ、シャーロット・ルービッヒ
子どもの元気度★★★★★
満足度★★.5


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