ステージおきたま

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狙いはぴたり!定期公演『朧の森に棲む鬼』

2012-06-25 00:54:31 | 演劇
 置農定期公演『朧の森に棲む鬼』終演。

 今回は顧問Nの初演出だった。僕はほとんど何もしていない。ちょっと後ろめたい。プログラム作りくらいかな、やったのは。初演出はそうとうのプレッシャーだったようだ。劇団新感線の作品ってこともあるけど、これまで置農演劇部の定期公演は、常にそこそこならぬ完成度を保持しているってことが大きかったと思う。見に来る人も大人が多くて、それなりの仕上がりを期待しているから。

 なのに、顧問Nは超多忙!本番の前々日は農業クラブ測量県大会を切り回していたくらい。それと今年のチームの学年構成、3年生がたった4人で2年生が中心。高校演劇での1年間は大人10年分くらいの違いがあるから、この構成はかなりきつい。衣装など、何度作り直したことか!小道具作りもド坪にはまってぎりぎりまで製作を繰り返したし、演技もぎりぎりまで苦労した。

 しかも正味2時間半の芝居だ。昨日はほとんど立て込みと照明の色作りで終わった。昨日の9時過ぎからと今日の午前を使ってようやくゲネプロを終了するという始末。音響のリハもゲネの中でって有様だった。

 それでも、本番はしっかり見せるってところが、さすが!置農演劇部ってところかな。昼の部の導入部分こそ、緊張して台詞を飛ばしたり、元に戻ったりと見苦しい場面もあったが、後は落ち着いて一人一人が力を発揮した。特に後半は、ダメだしが効いて良い舞台に仕上げようとの意欲がはっきりと感じられる迫力ある仕上がりとなった。

 さて、今回の芝居、何より良かったのは台本の選定だったと思う。2年生中心、それもあまり演劇に精通していない生徒たちが多い中で、活劇ものを選んだってこと、これが良かった。勢いだけはある生徒たち、この作品のようなわかりやすくストーリーがはっきりしたもので良かったのだと思う。なんせ、剣戟だもの。

 もちろん、原作は人間の心に住まう業=鬼を存分に描ききったものなのだが、さすがに、そこまでは表見仕切れなかった。やっぱり高校生だものね。新しい愛人のために人を殺す女の心の闇なんてのは無理だよな。でも、剣戟とストーリーのおもしろさと台詞のかっこよさで最後までひっばることのできる芝居だったってことが成功の秘訣かな。あと、キャスティングも適切だった。殺陣は今一息だったけど、音響が頑張っていたので、そこそこの見せ場は創れていた。

 タイミングや繊細さではとっても十分とは言えないが、細かい所に目をつぶれば照明も音楽も舞台進行もスムーズだった。ホールを使用しての練習がたった1日という限定された状況ではよくやったと思う。

 


 


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コメント (6)
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