歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

奈良市・平城宮跡東院地区 中枢部へ向かう通路の横から大型井戸跡が出土、光仁天皇の楊梅宮の「手水」か?

2010年04月01日 | Weblog
 奈良時代に皇太子の住居などがあったとされる平城宮跡東院地区(奈良市佐紀町)で、中枢部へ向かう通路の横から奈良時代後半(8世紀後半)の大型井戸の跡が見つかった。調査した奈良文化財研究所によると、井戸は役所の中など便利な場所にあることが多く、こうした例は珍しいという。光仁天皇の楊梅宮(ようばいきゅう)だった時期にあたり、メーン通路に接することから、神社の手水(ちょうず)のような施設かもしれないとしている。
 昨年10月からの調査で、中枢部の北西に当たる位置で、幅約15mの東西方向の通路が見つかった。井戸はその通路のすぐ北にあり、約1・8m四方の木枠が残っていた。高さ約26cm、厚さ約6cmの板を組み合わせた「せいろ組み」の構造で、下から3段目までが出土した。深さは約1・4m、当初は約2mだったとみられる。板の内側を美しく整えるなど、丁寧に仕上げてあった。上部の板は抜き取られていた。周囲には柱穴があり、井戸を取り囲むように建物が建っていたとみられる。
[参考:奈良新聞、毎日新聞、朝日新聞]
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四條畷市・蔀屋北遺跡 朝鮮半島から持ち込んだ牧場の番犬とみられる犬の骨が出土

2010年04月01日 | Weblog
 四條畷市の蔀屋(しとみや)北遺跡で、5世紀中頃の「渡来犬」とみられる犬の骨が、府教委の調査で出土した。
 下あごの骨(残存の長さ13・4cm、高さ3cm)、肩甲骨の一部(長さ9cm、幅3cm)、腰椎(長さ4cm、幅3・5cm)の3点あり、体高は推定52cm、現在の四国犬ほどの大きさで、同遺跡から共に出土した他の犬の骨より大きかった。これまでに国内で出土した古墳時代(3~7世紀)以前の犬では最大という。弥生時代(紀元前4世紀~後3世紀)の犬よりも一回り大きく、牧場の番犬として、朝鮮半島・百済から持ち込んだ大型の犬を飼育していたのではないかとみている。
 同遺跡は、百済からの渡来人が馬飼いにかかわっていたとされている。韓国南部の勒島(ヌクド)遺跡(紀元前1世紀)で同じ大きさの犬の骨が見つかっており、朝鮮半島からの「渡来犬」らしい。
 府教委によると、日本では約9000年前の縄文時代早期から、体高38~40cmの柴犬ほどの犬が飼われ始めた。弥生時代の犬は体高46cm前後で、これまでに確認された最大は体高が47cm。古墳時代の犬は、よくわかっていないという。
[参考:読売新聞]

過去の関連ニュース
 2010.3.15 蔀屋北遺跡 5世紀中ごろの国内最古の馬の乳歯が出土
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