宮内庁は12日、「三吉(みつよし)陵墓参考地」として管理している、古墳時代中期(5世紀)全長約200mの前方後円墳・新木山(にきやま)古墳の発掘現場を日本考古学協会など歴史学や考古学の15の学会の研究者ら約40人や報道陣に公開した。 新木山古墳は葛城地域北部にある奈良盆地南西部に広がる馬見古墳群の中央に位置し、巣山古墳(国特別史跡)とともに同古墳群の代表的存在。
今回の発掘調査は、東西に長い墳丘の南側に柵を整備する工事に先立って遺構の状況を調べるのが目的で、墳丘の麓に12カ所の調査区を設定して10月15日から実施していた。(~11月26日までの予定)
墳丘斜面の葺き石や円筒埴輪列(直径約30cm)などの遺構を発見。珍しい襟付き短甲形埴輪のほか、家形や蓋(きぬがさ)形などの形象埴輪片が出土した。
襟付き短甲形埴輪は破片2点で、革で鉄板を固定した様子も表現していた。この埴輪は墓山古墳(羽曳野市)など数例しか出土例がないという。
墳丘は広い範囲で削られていたが、江戸時代に再び土が盛られていたことや、三段築成であることもわかった。
[参考:共同通信、日経新聞、産経新聞]
珍しい短甲埴輪出土、新木山古墳 宮内庁、発掘現場を公開(共同通信) - goo ニュース