7月31日のNHKニュースで学力のことを伝えていたので、調べてみたら、7月21日に読売新聞で取り上げられていた。
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【私大生・短大生の「学力不足」 教員6割が痛感】
全国の私立大学・短大の教員の60%強が、学生の基礎学力が不足していると感じていることが、文部科学省所管の社団法人「私立大学情報教育協会」の調査で分かった。
6年前の調査結果に比べて20ポイント以上増えており、学生の学力が急激に低下している実態が、教員の意識調査でも裏付けられた形だ。大学・短大の志願者数と募集人員が同じになる「大学全入」時代を2年後に控え、同協会は「入学後の学生に高校段階までの学力を身につけさせる方法を、大学側が真剣に検討しなければならない」と指摘している。
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またぞろ高校までの教育が悪いとでも言うつもりなのか。もちろん高校の責任を否定はしない。冷静で的確な批判・データ分析ならば認めたい。でも、大学生自体が増えたという視点がかけているような気がしてならない。
あのね、現在、大学進学率は高校卒業生の50%に限りなく迫っている。これはアメリカなどでは大学教育が完全に大衆化した比率とほぼ同じであり、大学の有り様を激変させる比率である。こんなことは高校教師でも知っている常識である。マスプロ化ではない大衆化である。これは従来とは異なる学力観を持って学習者を面倒見ることが、当然のこととして求められる状態である。パラダイムシフトとは言えないかもしれないが、これまでの学生とこれからの学生は違う。たとえ入学者の偏差値、得点が同じであっても、集団として異なると、わかっていなければいけないのである。
高校卒業生の大学進学率15%までならば、エリート教育と言えるだろう。そのあとは最近聞かなくなった、マスプロ教育である。このマスプロ教育と呼べるのも50%まで。それ以上は大衆化である。
大衆化=高校卒業生の大学進学率が50%を越えた状態である。義務教育じゃないんだから、人気がある学校には受験生があふれ、そうではないところは人気が無くなる。それでも、座して死を待つことをよしとしなければ、入りたい人を入れるしかない。そうすればいわゆる学力は下がるに決まっている。学力には差があるのだ。
下がったうんぬんといっている先生方。あなた方全員が旧制帝国大学で教鞭をとっているわけではないのだ。
だんだん腹が立ってきた。でも、我慢して、もう少し読み込んでみよう。
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調査は昨年11~12月、同協会に加盟する大学や短大の専任教員(教授、助教授、講師)を対象に実施。全私大・短大の専任教員の約36%にあたる約28,000人が回答した。
授業で直面する問題点
「学生の基礎学力がない」という選択肢を選んだ教員は、4大60.1%、短大66.0%
1998年度の調査より大学教員が24.8ポイント、短大教員が22.1ポイント増加。
大学教員の間には、中学で習う連立1次方程式が解けない学生や、高校で「生物」を学んでいない医学部生がいるなどと、嘆く声も少なくない。
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嘆く暇があったら、それでも入れなければ嘆かせてくれる学生がいない。=講座が開けない。=失職する、ということが理解できなければいけない。これを認識するべきではないのだろうか。それを前提に、講義の内容、入学者選抜の有り様を個別大学で話し合うことを考えなければいけない。FDもかけ声倒れになれば、大学が倒れるぞ。経営者マインドがないと文句を言うしかできないことになる。
でも、答えた人の3人に1人は学力が下がってるとは感じていないわけだ。もっとも、回答した人が全体の3分の1。回答できなかった人は、問題意識すらないのか。それとも学力下がってないぞと思っているのかな。
同協会でも、「基礎学力低下に加え、入試の多様化で、結果として、大学での勉強に必要な科目を学んでいない学生を受け入れていることも要因の一つだ」と分析しているらしい。
時計の針は戻せない。高卒者の30%しか大学に進めなくすれば、学力は上がるよ。でも、それはできない。
対応できなければ滅ぶのみ。
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データはとりました。
で、どうするんでしょうか。