全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

チルソクの夏

2010-10-16 06:56:22 | 教師の仕事 2010

 登場人物のひとりを上野樹里さんが演じている映画だが、こまかいことはオフィシャルサイトを見ていただくとして、ここは映画の話しではない。
 この物語が、現在使用中の教科書にAcross the Seaというタイトルで出ている。日本側の主人公(郁子)の父親(映画では山本譲二さん)が登場するのだが、ある問題が発生した。父親の職業・流しの歌手が生徒たちに通じない、理解されないのだ。

 物語は1970年代のお話しである。カラオケが徐々に広まり、流しの歌手の生活が、だんだん悪くなるという時代背景を述べる文がある。一部引用する。

 But things did not always go all right.  Ikuko's father was a nagashi-singer, who was losing work due to the boom in karaoke in those days.  He became even more frustrated when he knew his daughter had a Korean boyfriend.  Ikuko noticed the same attitude among some of her neighbors.

 ここのnagashi-singerがわからないのだ。

 5名の授業担当者の中で、僕がこのこ部分を教えるのが一番早かった。授業の予習をして、わからない生徒もいるかと思い、一応説明のシナリオは書いておいた。このセクションに入る時、まず聞いてみた。

 『Do you know "nagasi-singer”? 流しの歌手ってわかるかな?
 クラスで手が上がったのは1、2名。
 『お台所の流しじゃないからね。
 『・・・・
 わかる生徒がほとんどいなかった。ホントにわからないようだった。準備したシナリオを使ってみた。

 『ソフトバンクのケイタイのCMでぇ、浜崎あゆみのやっているのがぁ「流しの歌手」
 こう言った後、実際どういうものかを説明したら、やっと通じた。

 なかなか、授業の準備は難しいのだ。でも、楽しいのだ。

***** *****

 教科書
 EXCEED English Reading New Edition (p.92,l.9)

 映画公式サイト
 http://www.prenomh.com/prev/chirusoku/index.html

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