登場人物のひとりを上野樹里さんが演じている映画だが、こまかいことはオフィシャルサイトを見ていただくとして、ここは映画の話しではない。
この物語が、現在使用中の教科書にAcross the Seaというタイトルで出ている。日本側の主人公(郁子)の父親(映画では山本譲二さん)が登場するのだが、ある問題が発生した。父親の職業・流しの歌手が生徒たちに通じない、理解されないのだ。
物語は1970年代のお話しである。カラオケが徐々に広まり、流しの歌手の生活が、だんだん悪くなるという時代背景を述べる文がある。一部引用する。
But things did not always go all right. Ikuko's father was a nagashi-singer, who was losing work due to the boom in karaoke in those days. He became even more frustrated when he knew his daughter had a Korean boyfriend. Ikuko noticed the same attitude among some of her neighbors.
ここのnagashi-singerがわからないのだ。
5名の授業担当者の中で、僕がこのこ部分を教えるのが一番早かった。授業の予習をして、わからない生徒もいるかと思い、一応説明のシナリオは書いておいた。このセクションに入る時、まず聞いてみた。
『Do you know "nagasi-singer”? 流しの歌手ってわかるかな?
クラスで手が上がったのは1、2名。
『お台所の流しじゃないからね。
『・・・・
わかる生徒がほとんどいなかった。ホントにわからないようだった。準備したシナリオを使ってみた。
『ソフトバンクのケイタイのCMでぇ、浜崎あゆみのやっているのがぁ「流しの歌手」
こう言った後、実際どういうものかを説明したら、やっと通じた。
なかなか、授業の準備は難しいのだ。でも、楽しいのだ。
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教科書
EXCEED English Reading New Edition (p.92,l.9)