2027年の京都。引っ込み思案な男子高校生の直実は、ナオミという青年と出会う。ナオミは10年後の世界からやってきた未来の自分で、未来で瑠璃という女性と結ばれるが、彼女を事故で失ってしまうのだという。彼はナオミを先生と呼び、協力して事故に遭う彼女の運命を変えようとする。そして、自分が生きる2027年に隠された秘密やナオミの本当の目的を知る。 |
+++++ +++++
「HELLO WORLD」は8月に書いたとおり、珍しく原作読了済の映画鑑賞である。ようやく見ることができた。なお、前のエントリではノベライゼーションと書いているが訂正する。
+++++ +++++
僕の名前は堅書直実
僕は高校生。自分でも優柔不断で内気だと思う。読書が大好き。
ある日、僕の前に白い服を着た背の高い変なヤツが現れた。お供かどうかわからないけど、三本足のカラスも登場した。僕には見える一人と一羽だけど、周りの人にはわからないらしい。
そいつの名前はカタガキナオミで、10年後の僕だという。背も高く、とてもじゃないが信じられない。何で僕の前に現れたんだ。怖かった。
理由を尋ねると、僕に彼女を作るためだという。そして、その彼女とはクラスメイトで、自分と同じ図書委員の一行さんとも。無理だぁ...
ナオミの言うとおりにしていると、なんだか不思議なことが起こる。
僕は彼女と3ヶ月後には恋人同士になり、そして彼女は最初のデートの時に落雷で死んでしまうと教えられた。未来の僕はそれを阻止するために、僕の前に現れた。そして、僕、僕のいる世界は、アルタラという量子コンピュータに保存された(現実ではない)データであると告げられた。現実世界では死亡した一行さん。せめてデータの世界で存在させたい。それが未来の僕が僕の前に現れたホントの理由だった。
オレの名前はカタガキナオミ
やっとデータ世界に入れた。そのために体は傷つき、障害も残った。
あの事故から3ヶ月前の過去に来た。目の前には自信なさげな、高校生になったのに「中2病」風の自分がいる。これからの時間を、あの事故が起きても、一行さんが死なないように書き換えていくつもりだ。
ワタシ、一行瑠璃
自分では普通だと思っているけど、どうも違うかもしれない。勘解由小路三鈴(かでのこうじ・みすず)さんみたいに、いかにも的なところもない。男子とおしゃべりするとことも、、、ないかな。
最近、同じ図書委員の堅書クンが、なんだかよく視界に入ってくる。なぜだろう。。。
こんな感じである。
+++++ +++++
ナオミの本当の目的
これは書けない。瑠璃を救えたかどうかも含めて。。。
+++++ +++++
一行瑠璃・CV浜辺美波
おそらく現在もっとも勢いのあるU-20の女優さんである。本作の浜辺さんは、かなりぶっきらぼうな、コミュニケーションの苦手なキャラクターを演じている。これが実写なら、相当棒読みな演技になるが、アニメキャラとしてはうまくいっている。
キャラクターデザインとしては一行瑠璃も堅書直実も高校生としては相当幼い感じである。
ラストで大人になった一行瑠璃が登場するが、そこはそれなりに大人な感じ。
堅書直実・CV北村匠海
自信のなさそうな高校生直実。自分で決められず、それを自覚していて悩んでいる直実。本が大好き。10年後の自分に彼女を作るために来たと言われ、それが一行瑠璃であると言われたときの戸惑い。北村さんGood Jobである。見ていてかわいいと思った。
カタガキナオミ・CV松坂桃李
カタガキナオミは、あるときはクールに、(終映後考えると)あるときは企みをもって、10年前の自分を操っている。考えてみると、相当に自己中である。そのキャラクターを松坂さんが演じている。
+++++ +++++
本作のものがたり展開、必ず賛否があるだろう。
原作を読んでいたので、映像化されたものを見ても、大きな戸惑いは感じられなかった。新海作品でも感じたことだが、街の描写の緻密さは驚く。「Inception 」(’10)のシーンに似ているところも見かけた。
・・・まあ、ご愛敬である。
なお、本作と原作の最後は違う。直実と瑠璃の関係性も、量子コンピュータが暴走した結果なのか、それとも最初からそうなのか。ハッキリとは示されない。映画評でもわかりにくいというコメントも多い。僕はかなりおすすめである。
劇伴いい。
+++++ +++++
文中敬称略