全英連参加者のブログ

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福島県立只見高校調査

2022-02-26 04:00:00 | 全英連参加者 2022

 只見高校は 『「県立高等学校改革前期実施計画」により、令和2年度から(募集)定員数70人から40人に、1学年2学級から1学年1学級』に、規模縮小されている。現在の3年生が70人、2年生と1年生は40人募集ということになる。充足率は生徒数86を定員(70+40+40)で割ればいいので「57.3㌫」である。

 学校のウェブサイト『基礎情報(令和3年度)』によると、令和4年2月1日現在の学級数は4(1年生1、2年生1、3年生2)であり、生徒数は84名とある。スポニチの甲子園出場校のデータは、おそらく学校基本調査(令和3年5月1日基準)だろう。何らかの理由で2名生徒減である。

 同校の教育課程表から、埼玉県の教員配置基準を準用して、何人くらい先生がいるのか考えてみた。
 埼玉県の場合、本採用ならば週持ち授業時間(コマ数)は最大でも18である。例えばコミュニケーション英語Ⅰが5単位ならコマ数は5である。同校は1年生2年生が1学級、3年生が2学級である。生徒人数をクラス数で均等割にすれば、1クラス20人を少し超えることを前提に、いろいろ考察してみた。なお、このエントリは、あくまでも埼玉県の高校教諭の考察です。正確さは保証の限りではありません。同校進学を希望している中学3年生諸君は、学習内容等は直接学校に問い合わせてください。


 同校教育課程表(令和3年度 教育課程単位計画表)から作成。

教科 科目 1年 2年 3年 計1 計2 合計
A B C D E
国語 国語総合 4                 4 0 21
国語表現         3         0 3
現代文A         2         0 2
現代文B   2   2           6 0
古 典 B   2   2           6 0
地歴 世界史A       2           4 0 13
日本史B   3   2           7 0
日本史演習                 2 0 2
公民 現代社会 2                 2 0 4
政治・経済             2     0 2
数学 数 学 Ⅰ 3                 3 0 21
数 学 Ⅱ   4               4 0
数 学 Ⅲ         5         0 5
数 学 A 2                 2 0
数 学 B     2             0 2
数学活用         2         0 2
数学演習         3         0 3
理科 科学と人間生活 2           2     2 2 22
化学基礎   2               2 0
化  学             2 2   0 4
生物基礎   2               2 0
生  物           4       0 4
理科演習Ⅰ           4       0 4
理科演習Ⅱ               2   0 2
保健
体育
体  育 3 2   2           9 0 15
保  健 1 1               2 0
芸術 音 楽 Ⅰ 2                 2 0 4
音 楽 Ⅱ     2             0 2
外国語 C 英 語 Ⅰ 5                 5 0 21
C 英 語 Ⅱ   4   3           10 0
英語表現Ⅰ   2               2 0
英語会話           4       0 4
家庭 家庭総合 2 2               4 0 6
情報 社会と情報 2                 2 0 4
体育 スポーツ概論           2       0 2 a
スポーツⅠ               2   0 2 a
家庭 子供の発達と保育           2       0 2 b
情報 情報の表現と管理                 2 0 2 c
総合的な探求の時間 1 1   1                
各 科 目 等 計 29 27 2 14 5 4 2 2 2      
ホームルーム活動 1 1   1                

 学校の先生ならばわかると思うけど、そうでない人にはちんぷんかんぷんかもしれない。

 1年生の科目は「1年」の欄を縦に見ると、何の科目が週何回授業かわかる。例えばC英語Ⅰ(コミュニケーション英語Ⅰ)は、週5回(おそらく毎日)あり、これを5と記述してある。これが単位数である。
 3学年とも週30コマ授業等(各科目+総合的な探求の時間+ホームルーム活動)がある。大学等と違い空き時間はない。
 同校は1年1クラス、2年1クラス、3年2クラスである。時間割は4種類あることになる。上記の表は以下の考えで作成した。

 1年生に必要な一週間コマ数(総合的な探求の時間、ホームルーム活動を含む。以下同じ)は30である。担当の先生は30コマ分必要になる。
 2年生は32コマである。必修科目分28コマ。数学Bと音楽Ⅱが選択科目なので、週2時間クラスは分割になる。
 3年生は必修科目は15だが、2クラスなので30になる。選択科目はそれぞれの進路希望にあわせて履修する。こちらは1講座開講と考えて計算する。以下選択科目を見てみよう。

 Aは数学Ⅲ5時間を選択するか、国語表現3時間と数学活用2時間現代文A2時間と数学演習3時間の組み合わせのどれかを履修(選択,以下同じ)する。数学Ⅲ担当、数学活用担当、数学演習担当の各先生が同時に必要になる。国語表現と現代文Aの担当の先生も必要になる。以下先生の必要数を考えていく。
 Bは4時間科目を履修(選択)するか、2時間2科目。生物、理科演習Ⅰ、英語会話。理科の先生2、英語の先生1。
 Cは2時間1科目履修する。政治・経済科学と人間生活化学。公民の先生1、理科の先生2。
 Dは2時間1科目履修する。化学理科演習Ⅱなので、理科の先生2。
 Eは2時間1科目履修する。日本史演習情報の表現と管理なので、地歴の先生1、情報の先生1。

 計1は各必修科目の授業コマ数の合計である。1年生分+2年生分はそのままコマ数を加え、3年生分は2クラスなので必要数を2倍している。
 計2は各選択教科の授業コマ数の合計である。全ての講座が1講座開講されている前提で計算した。
 合計は計1と計2の合計。aは体育、bは家庭、cは情報の専門科目なので、それぞれ保健体育、家庭、情報の合計に加えてある。

 あくまでも全ての選択科目が開講されているのが前提だが、各教科のコマ数の合計は以下のようになる。

 国語21 地歴13 公民4 数学21 理科22 保健体育15 音楽4
 外国語21 家庭6 情報4

 埼玉県の例で見ると、専任等(再任用フルタイムを含む)1人の教員の授業持ちコマは、最大18である。1学年だけなればいいが、3学年4クラスの授業を成立させるには、ある科目のコマ数が18を下回れば、先生が1人でたりるかというと、そうでもない。   は、どうみても、1人は専任等が要るはずだ。

 中高の教員免許は科目ごとに区別されている。国語授業を担当できるのは、国語の教員免許保持者のみ。授業みたいなことはできても、成績評価の原案(すなわち単位認定案)を作成し、校長に認めてもらうことはできない。この教育課程を担保する(実際に授業を実施する)には、これくらいの数の先生が必要になると思う。

 国語は1+非常勤1か2
 地歴は1
 公民は非常勤1
 数学は1か2+非常勤1か2
 理科も1か2+非常勤1か2
 保健体育は男女各1
 音楽は非常勤1
 外国語は1+非常勤1か2
 家庭は非常勤1
 情報も非常勤1

+++++ +++++

 学年編成
 国語、地歴、数学、理科、保健体育、外国語のうち4人が担任。1年生2年生は学年主任は実質なし(=担任が学年主任)だろうか。

 校務分掌
 進路指導主事、生徒指導主事、教務主任、保健主事はいるはずだ。
 校長1、教頭1、養護教諭、司書、事務責任者と事務職員、業務職員。埼玉県ならば定時制課程設置校の人員配置に近いのかもしれない。このマンパワーで甲子園出場準備。余計なお世話だが、大変だろうと思う。

 いろいろ勉強になりました。


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