全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

令和5年の1本目は、かがみの弧城です。

2023-01-11 04:00:00 | 全英連参加者 2023

「かがみの弧城」ポスタービジュアル 中学生のこころは学校に居場所がなく、部屋に閉じこもる日々を送っていた。ある日突然、部屋の鏡が光を放ち、吸い込まれるように中へ入ると城のような建物があり、そこには見知らぬ6人の中学生がいた。さらに「オオカミさま」と呼ばれるオオカミの仮面をかぶった少女が現れ、城のどこかに隠された鍵を見つけたらどんな願いでもかなえると告げる。
 7人は戸惑いながらも協力して鍵を探すうちに、互いの抱える事情が明らかになり、徐々に心を通わせていく。

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 主人公CVを當真あみさんが担当していることもあるけど、オオカミさまCVが芦田愛菜さんである。声優本職の人もいい。昨年中に鑑賞予定だった作品、やっと5日に劇場に行けました。
 主人公のこころを當真さんがどう作り上げているのかも興味深いし、現実世界(学校)で居場所のない子どもたちをどんな風に描いていくのかも注目していた。(本作、学校の先生には扱うテーマが重い。)

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 主人公のこころ
 学校に行けなくなったきっかけ、かなり深刻。その原因の同級生の描き方はやや浅いと思えた。
 CVの當真さんの話し方が、かなり心を病んだ主人公の雰囲気を出していた。

 オオカミさま
 孤城をつくり、7人の子どもを集めた存在。その正体はものがたりのラスト近くで明かされる。CVの芦田さん、声のお芝居もやはり上手。

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 謎解きの要素(一部ネタバレ)
 ものがたりの始め、母親がこころの欠席を学校に電話する。何か違和感を感じたシーン。
 呼び寄せられた7人が、自己紹介をする。苗字を言わない。全員中学生なのだが、「〇〇中?」とか一切聞かない。
 スマホも出てこない。

 途中であることから、全員同じ中学校の1年生から3年生であることがわかる。でも、お互いのことを知らない。
 原作未読だけど、何となく...かな、と予見できた。

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 最近の流行とは違う
 新海作品をはじめとする、背景画の細密さを追うことを本作はしていない。登場する中学生7人はもちろんだが、キャラクターの「線が少ない」印象を受けた。雑とか手抜きとかではない、何か意図的である。
 パンフレットによれば、「アニメーターが芝居を描きやすいようにするため」(キャラクターデザイン/監修・佐々木啓悟氏)とのこと。こんな描き方もあるんだと感じた。

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 7人の願いはどうなる
 7人にはそれぞれの願いがある。でも、それを明かすことはしない。誰の願いが叶い、7人はどうなるのか。
 願いが叶うと7人はぞれぞれの現実世界に戻り、弧城での記憶は失われる。見ているものは7人それぞれの生活が、”平和” であることを願いながら、フィナーレを迎える。
 僕には少々物足りない終わり方に思えた。


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