全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

ノースマン 導かれし復讐者

2023-01-28 04:00:00 | 全英連参加者 2023
「ノースマン 導かれし復讐者」ポスタービジュアル  9世紀、スカンジナビア地域にある、とある島国。 若き王子アムレートは、旅から帰還した父オーヴァンディル王とともに、宮廷の道化ヘイミルの立ち会いのもと、成人の儀式を執り行っていた。
 儀式の直後、叔父のフィヨルニルがオーヴァンディルを殺害し、グートルン王妃は連れ去られる。10歳のアムレートは殺された父の復讐と母の救出を誓い、ただ一人、ボートで島を脱出する。
 数年後、怒りに燃えるアムレートは、東ヨーロッパ各地で略奪を繰り返す獰猛なヴァイキング戦士の一員となっていた。ある日、スラブ族の預言者と出会い、己の運命と使命を思い出した彼は、フィヨルニルがアイスランドで農場を営んでいることを知る。奴隷に変装して奴隷船に乗り込んだアムレートは、親しくなった白樺の森のオルガの助けを借り、叔父の農場に潜り込むが…。

+++++ +++++

 昨年12月、鴻巣シネマで「蜘蛛巣城」を鑑賞した時、本作のTrailerを見た。妙に気になった作品なのだ。

+++++ +++++

 島国
 描かれ方は小さな漁村に近い。その村のおさが国王オーヴァンディル。国王=Kingだが、豪族の長のようだ。彼の息子が主人公・アムレート。王の弟がフィヨニル。若きアムレートは父を殺され、母を連れ去られ、命からがら国から脱出する。
 叔父に父親(国王)を殺された王子が主人公。何かどこかで見たような気がした。その王子が復讐を果たすまでの戦いのものがたり。
 ものがたりの中で印象的なのは、長じてヴァイキングの一員となったアムレートの残忍さ。村を襲う場面の血みどろ具合。征服された村の人々の描写。彼らは殺されるか奴隷として連れて行かれる。
 そんな日々の生活の中で、アムレートは自分の運命を再認識し、フィヨニルの元に乗り込んでいく。

 強い者から奴隷に
 アムレートは奴隷となりフィヨニルの支配する農場に潜入する。
 農場とは名ばかり。奴隷(農奴)によるプランテーションだ。支配する者とされる者。される者は人間あつかいされていない。そこで彼は、母を発見する。母は叔父との間に子どもをもうけていた。
 彼は叔父の命を狙い、農場で働く者たちを殺害する。一歩ずつ標的である叔父に接近する。巻き添えになり、殺される奴隷もいる。とても陰鬱な場面が続く。農場で親しくなったオルガの存在は、そんな中で少しの救いになる。

 最後は復讐を果たす
 血みどろの戦いの中で、彼は敵を討つ。
 復讐を果たした彼も、、、

+++++ +++++

 déjà vu
 終映後、全体の陰鬱とした雰囲気、雲が低く、きびしい自然環境のものがたりであること。預言者... 何だか、「蜘蛛巣城」みたいだと考えた。その次に、「シェイクスピアに似たようはお話し、なかったかな」と思った。
 パンフレットによれば本作は「ハムレット」から着想を得た作品とのこと。アムレートは、ハムレットの原型となったデンマークの伝説上の人物。

 Amleth Hamlet

 言われてみれば、かな。

 万人受けはしなそうだ
 そもそも原題のThe Northmanに、副題「導かれし復讐者」をつけなければいけないほど、日本社会は北欧の歴史、神話になじみが少ない。
 たぶんThe Norseという単語も、認知度は低い。
 暴力シーンも多い。日本で名前が知られている出演者も少ない。

 でも、おもしろかった。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする