今年の大河ドラマ「龍馬伝」。
予想外に、面白い。
その理由は司馬遼太郎の作り上げた龍馬像を巧みに避けることに成功していることに加え、これまでのNHK大河ドラマとはまったく異なった画面作りになっており、テレビドラマというよりはむしろ映画に近いその質感が、また魅力的だ。
毎年この季節になると、早、次年度の大河ドラマの主役が発表になる。
今回も来年の大河ドラマ「江 ~姫達の戦国」で主役を上野樹里が演じることになったと発表された。
「江」
いったいどのようなドラマなのか記事を読んでみると「織田信長の妹の娘=徳川秀忠の正室」の物語なのだという。
どこからこういうドラマのキャラクターを探してくるのだろうか。
NHKのドラマ制作技術よりも、そのネタ探し技量にいたく感動させられる。
私が物心がついて大河ドラマをマトモに観るようになったのは平幹二朗が主演した「樅の木は残った」であった。
この大河ドラマは伊達騒動を扱ったメチャクチャ陰気な物語だったのだが、それ以上に、子供だった私にはオープニングタイトルの能面が恐ろしく、できることなら中身はともかくチャンネルを変えたいと思うドラマなのであった。
以後、「花神」や「黄金の日々」、「獅子の時代」、「独眼竜政宗」などお気に入りのシリーズが放送されていったのだが、いつのころからか、大河ドラマが「つまらない時代劇」に思えるようになってしまい、戦国時代と幕末を繰り返すそのワンパターンにいささか辟易としていたのだった。
正直な話、鳴り物入りの「新撰組!」なんかはサイテー(漢字で「最低」と書くのも躊躇ってしまうような代物)であった。
このように、大河ドラマは昭和38年から47年間も続いているのだが、一度だけ存亡の危機に立たされたことがあったと思う。
それは「山河燃ゆ」で現代劇路線に切り替えた時で、この時は「終わった」と思ったものであった。
さすがに最近は龍馬は別としてメジャーな歴史上の人物は取り上げられなくなってきている。
NHK大河ドラマ。
いったいいつまで続くのだろうか。
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