JR東日本の名物新幹線MAXが引退をするのだという。
総二階建て。
3列プラス3列の詰め詰め座席。
私はこのMAXにたった一度だけ乗車したことがある。
栃木県の宇都宮に行った帰りで、
「ううううう、新幹線乗り継いで宇都宮から新大阪。めどくさい.......」
と若干憂鬱になっているときに宇都宮から東京駅まで乗車したのがMAXなのであった。
このMAX。
乗り心地は正直言ってほめられたものではなかった。
私が乗車したのは1階の座席。
窓から見えるのは防音壁の真っ白、かつ、防音壁のふちがチラチラする、まるで壊れたテレビの画面のような光景が永遠と続く景色なのであった。
おまけにMAXは各駅停車なのであった。
東海道・山陽新幹線なら「こだま」にあたる特急で、各駅に停車するのは結構なのであったが、停車した窓から眺める目線の景色はプラットホームの床の側面なのであった。
ホーム上を行き来する人々の足元がしっかりと見える。
女性のスカートの中が覗けてしまうのではないか、と一瞬変態に間違えられては大変と、目のやり場に困ったことも記憶している。
しかし、そのような景色の問題など、軽い内容なのであった。
最も大きな問題は座席がめちゃくちゃ狭いという問題なのであった。
ボディサイズは普通の新幹線なのに、座席が一人分多いのだ。
このため一人当たりの座席に幅は恐ろしいくらい狭く、相撲取りのような体格をした人はどうやって乗車するのか、正直言って真剣に考え込んでしまうくらい狭かったのだ。
この座席はちょうど山陽新幹線のひかりレールスターや、今週末に運行を開始する九州新幹線とはまったく反対になる座席構成なのだ。
こちらは2列プラス2列の4人がけ。
普通指定席でもグリーン車と同等の快適さなのだ。
MAX引退。
その原因は、老朽化でもなんでもなく、座れる人が限定されるほどの狭さにあるに違いない。
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