国内や海外からの要人が移動する時は必ず交通規制が敷かれ、一般人の交通は制限されることになる。
大阪人の私はこのような特殊事情はあまり慣れていないのだが、東京の人たちは日常茶飯事と見えて、
「オバマ大統領が来るから大変だ」
なんて愚痴は一言も聞かなかったのであった。
従って、テレビや新聞でも警戒に関する迷惑コメントは羽田空港や東京駅といった地方の人が訪れる場所で、地方の人にインタビューしていたという感じが否めない。
ゴミ箱が撤去されて鼻水をかんだティッシュを捨てる場所も無い、荷物を預けるにしてもコインロッカーが使用停止になっている。
ホントに便利の悪いことこの上ないのであって、これが大阪人であれば、
「もう、来んでもええのに」
となってしまう訳で、政治の中心地東京のちょっとした凄さはこういうところにあるのかもしれない。
オバマ大統領来日初日の23日は私は打ち合わせがあったので東京にいた。
私のいつもの宿泊先は浅草エリアなので特別な警備をやっているということは一切無く、いつもの風景が広がっていた。
午前中に仕事が完了し、午後大阪で仕事が待っていたので浜松町から東京モノレールで羽田空港に移動しようしっところ、至る所で警備の公安関係の皆さんを目撃。
何も語らず、ただただジーとしている公安関係者の威圧感が周囲に異様さを醸し出していた。
なかなか体験のできない、風景である。
電車に乗って羽田に向かうと車窓からは到るところで、これまた検問をしている風景が展開し、米国大統領の来日の重さをひしひしと感じていたのであった。
その風景を眺めつつ、
「米国の大統領は気の毒だ。日本のような同盟国で親密な国を訪れるにも関わらずテロを警戒しなければならない。なんと嫌われた国なのだろう。」
と思いを巡らせていた。
アメリカンドリームという言葉はもう死語になっているのかもしれない。
強引なアメリカの国際政治手法が中東や数少ない共産圏で嫌われてきたのは誰もが知る所。
その昔、東西冷戦時代にはベトナムへの介入やイスラエル樹立への援助、武力によるイラク、イランに対する威嚇と攻撃。
アメリカという存在がなければ、それはそれで大いに混乱したのかもしれないが、彼の国とその対する国や地域が払ってきた代償は小さくない。
風景を眺めていて考えたもう一つのことは、アメリカの国家としての力量の低下だった。
オバマ大統領を見ていると、なんだか世界のリーダーという印象に乏しいだけではなく、アメリカの代表という印象さえ乏しく感じる。
それはアメリカの国際間における行動力の低下と、ロシアのプーチンのようなホンモノの政治パワーとの違いが、ここに来て顕著に見えてきているからかもしれないと思った。
国賓の来日。
その交通規制を眺めているだけでもいろいろ考えてしまう要素一杯なのであった。
なお、残念ながらエアフォースワンを見ることができなかったのが心残りなのであった。
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