酔わされて、

長月十一日、葡萄―intoxication
まるい雫に色が満ちる、幼い時間の光。
「なに描いてるの?」
ソプラノ笑ってスケッチブック蒼が射す。
薄青いろ染められた鉛筆の先、描いた形に笑いかけた。
「訊いてくるって、ソンナに何を描いたか解り難いってコト?」
そんなに自分の画力ダメだったかな?
困りながら色鉛筆かたん、ペンケース閉じて香ゆれた。
「何の絵かは解るってば、何のために描いたのかなって訊いてるの、」
瑞々しい香あまく揺れる、香ふわり黒髪ゆらす。
あわい蒼色スケッチブック揺れて、畑の草地にデニムシャツ座った。
「ほんと上手だよね?紫と緑色の濃淡リアルできれい、ひさしぶりに見たけど相変わらず上手、」
ソプラノ朗らかにスケッブック響く、あまい香が澄む。
木洩陽くゆらす光と香、描いた図案と笑った。
「ありがと、おまえが褒めると自信でる、」
この声に言われると嬉しい、単純に。
シンプルな習慣に振りむいた隣、黒目がちの瞳ふわり笑った。
「あ?自信でるってコトは、何かの挑戦のために描いてる?農場の広告ってだけじゃなさそうだよね、」
香あまい木洩陽に見つめてくれる。
まっすぐな瞳まぶしくて、おもはゆい鼓動ひとつ微笑んだ。
「そうだな、」
教えられること、でも声にしたらどうなるだろう?
そんな想いは今この絵だけじゃない、見つめる想いに瞳一滴ほころんだ。
「あ、またはぐらかすね?内緒にするほどハードルあがるんだから、」
ほがらかな声あかるい瞳、きらきら甘く香りだす。
木洩陽やわらかに透ける馥郁、見慣れた笑顔ただまばゆくて。

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9月11日誕生花ブドウ

長月十一日、葡萄―intoxication
まるい雫に色が満ちる、幼い時間の光。
「なに描いてるの?」
ソプラノ笑ってスケッチブック蒼が射す。
薄青いろ染められた鉛筆の先、描いた形に笑いかけた。
「訊いてくるって、ソンナに何を描いたか解り難いってコト?」
そんなに自分の画力ダメだったかな?
困りながら色鉛筆かたん、ペンケース閉じて香ゆれた。
「何の絵かは解るってば、何のために描いたのかなって訊いてるの、」
瑞々しい香あまく揺れる、香ふわり黒髪ゆらす。
あわい蒼色スケッチブック揺れて、畑の草地にデニムシャツ座った。
「ほんと上手だよね?紫と緑色の濃淡リアルできれい、ひさしぶりに見たけど相変わらず上手、」
ソプラノ朗らかにスケッブック響く、あまい香が澄む。
木洩陽くゆらす光と香、描いた図案と笑った。
「ありがと、おまえが褒めると自信でる、」
この声に言われると嬉しい、単純に。
シンプルな習慣に振りむいた隣、黒目がちの瞳ふわり笑った。
「あ?自信でるってコトは、何かの挑戦のために描いてる?農場の広告ってだけじゃなさそうだよね、」
香あまい木洩陽に見つめてくれる。
まっすぐな瞳まぶしくて、おもはゆい鼓動ひとつ微笑んだ。
「そうだな、」
教えられること、でも声にしたらどうなるだろう?
そんな想いは今この絵だけじゃない、見つめる想いに瞳一滴ほころんだ。
「あ、またはぐらかすね?内緒にするほどハードルあがるんだから、」
ほがらかな声あかるい瞳、きらきら甘く香りだす。
木洩陽やわらかに透ける馥郁、見慣れた笑顔ただまばゆくて。

葡萄:ブドウ、花言葉「好意、陶酔、信頼、思いやり、慈善、人間愛」


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