生命、沙漠の水に
文学閑話:万里風光×『太陽と戦場のシルクロード』
葡萄美酒夜光杯 葡萄の美酒 夜光の杯
欲飲琵琶馬上催 飲まんと欲すれば 琵琶馬上に催す
酔臥沙場君莫笑 酔うて沙場に臥すとも 君笑うこと莫かれ
古来征戦幾人回 古来征戦 幾人回る
美味いぶどう酒を 夜闇にも光る玉杯へ満たす
飲もうと唇つけかけて 馬に乗ったまま奏者が琵琶を弾きだす
酔っぱらって沙漠に寝転んでしまっても 君、笑わないでいてくれよ?
昔からずっと戦争に出掛けたら 何人も帰って来られないのが現実なんだ。
僕だって帰られるか解らないんだからさ、今ひと時この酔いを楽しませてくれ。
王翰『涼州詩』です。
高校の教科書で初めて読んだとき憶えました。
で、最近かった本を読んでいて思いだしたんですけど、
並河萬里『太陽と戦場のシルクロード』
古本屋で見つけて買ったんですけど昭和54年発行、三十年以上前の本です。
カメラマンによるシルクロードの撮影記なんですが文章がかなり綺麗で驚きます。
風景描写や章名のセンスに文章の組み方、どれも正直に言って最近の作家さんよりプロです。
作者は1931年生まれで戦前教育を受けている方ですが、昔の国語教育が佳かった事を想わせます。
で、シルクロードに行ってみたくなります、笑
いちばん最初に読んだのは122ページ「赤い砂漠」からなんですけど。
タイトルの「砂漠」は正確には「沙漠」と表記する方が正しいんですよね。
砂=石が小さい、沙=水が少ない、なので水が枯渇している場所=沙漠が正しいそうです。
この「赤い砂漠」に描かれる一つが「乾き」水の国である日本の尺度では量れない沙漠の世界でした。
指という指が罅割れ切れて血が滲む、
そんな表現が出てくるんですけど、山野の湧水+海風で湿度の濃い日本では無い現象です。
それを鮮やかに描かれている沙漠の光景は炎天と静寂の繰り返しで惹かれます。
で、これから『Savant』の加筆校正またします、
それ終わったら『Aesculapius』か『Eventually Comes True』の続きを掲載予定です。
取り急ぎ、
智
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葡萄美酒夜光杯 葡萄の美酒 夜光の杯
欲飲琵琶馬上催 飲まんと欲すれば 琵琶馬上に催す
酔臥沙場君莫笑 酔うて沙場に臥すとも 君笑うこと莫かれ
古来征戦幾人回 古来征戦 幾人回る
美味いぶどう酒を 夜闇にも光る玉杯へ満たす
飲もうと唇つけかけて 馬に乗ったまま奏者が琵琶を弾きだす
酔っぱらって沙漠に寝転んでしまっても 君、笑わないでいてくれよ?
昔からずっと戦争に出掛けたら 何人も帰って来られないのが現実なんだ。
僕だって帰られるか解らないんだからさ、今ひと時この酔いを楽しませてくれ。
王翰『涼州詩』です。
高校の教科書で初めて読んだとき憶えました。
で、最近かった本を読んでいて思いだしたんですけど、
並河萬里『太陽と戦場のシルクロード』
古本屋で見つけて買ったんですけど昭和54年発行、三十年以上前の本です。
カメラマンによるシルクロードの撮影記なんですが文章がかなり綺麗で驚きます。
風景描写や章名のセンスに文章の組み方、どれも正直に言って最近の作家さんよりプロです。
作者は1931年生まれで戦前教育を受けている方ですが、昔の国語教育が佳かった事を想わせます。
で、シルクロードに行ってみたくなります、笑
いちばん最初に読んだのは122ページ「赤い砂漠」からなんですけど。
タイトルの「砂漠」は正確には「沙漠」と表記する方が正しいんですよね。
砂=石が小さい、沙=水が少ない、なので水が枯渇している場所=沙漠が正しいそうです。
この「赤い砂漠」に描かれる一つが「乾き」水の国である日本の尺度では量れない沙漠の世界でした。
指という指が罅割れ切れて血が滲む、
そんな表現が出てくるんですけど、山野の湧水+海風で湿度の濃い日本では無い現象です。
それを鮮やかに描かれている沙漠の光景は炎天と静寂の繰り返しで惹かれます。
で、これから『Savant』の加筆校正またします、
それ終わったら『Aesculapius』か『Eventually Comes True』の続きを掲載予定です。
取り急ぎ、
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