萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

閑話書覧:同居する癒し×内田百

2014-08-26 22:45:00 | 文学閑話散文系
猫、寝子、ねこ



閑話書覧:同居する癒し×内田百

内田百という作家をご存知ですか?

夏目漱石門下の文学者で東京帝国大学独文科を卒業後、
陸軍士官学校や海軍機関学校でドイツ語学教授を務め法政大学の教授になっています。
なんて経歴を書くとドイツ留学+軍医を務めた森鴎外と同系なカンジしますけど、百さんの作風はまた違います。

『ノラや』『クルやお前か』

飼い猫2匹をめぐる随想小説な作品です、
1代目ノラと2代目クルツに対する愛情をひたすら連綿と綴っているんですけど、
とにかく百の人柄がカワイイと思わされる作品で、近代文学で笑っちゃう×微笑ましいといえばコレかなと思います、笑

コレをベースに黒澤明監督『まあだだよ』という映画もあります、
これ自分的には好きな映画ベスト10に入る作品なんですけど、百の人柄と愛情+周囲の人間の温かみがイイです。
静かで穏やかな時間と映像の淡々とした空気×人の感情や願いみたいなものが温度になっている、人間っていいなーと思わせる映画です。

ちなみに内田百の「ケン」は「モンガマエ」+「月」なんですけど、
元はモンガマエに「日」で「内田百間」でした、で、この「」は環境依存文字なので文字化けします。



なんていう作品を描いているかと思えば、
夏目漱石の『夢十夜』を思わせるような幻想小説×ドイツ哲学みたいな作品もあります、

『件』

確か『冥途』に入っている短篇なんですけど、
人面牛身の「件=クダン」という妖怪というか珍獣になってしまった男の独白です。
大学の講義でとりあげられて読んだんですが、漱石の幻想系に連なりながら理知的な空気が独特。
なんとなく不思議空気で非日常感を味わいたいなっていうならおススメかもしれません、

が、個人的には『ノラや』の方が好きです、笑

にゃんにゃん 第55回ブログトーナメント



なんてかんじに気分転換に文学紹介してみました、笑

第78話「冬暁10」冒頭UPしました、加筆校正またしていきます。
Aesculapius「Chiron10」加筆ほぼ終わりました、当初の倍になっています。
第78話「冬暁9」校了しています、Favonius「少年時譚37」あと少しで校了します。

取り急ぎ、



にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へにほんブログ村

blogramランキング参加中!

人気ブログランキングへ


PVアクセスランキング にほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 正午雑談:殉職の定義×学者 | トップ | 第78話 冬暁 act.10-side ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

文学閑話散文系」カテゴリの最新記事