萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

設定閑話:水底の村

2014-06-14 22:55:20 | 解説:背景設定
ふるさと彼方に



設定閑話:水底の村

本編「Aesculapius」主人公・雅樹の恩師、坂上教授は山岳地域の出身です。
6月11日掲載「Favonius少年時譚15」でも坂上の故郷はダムに水没したと語られていますが、
そのモデルになっている村に今日ちょっと行ってきました、で、写真はその村があったダム湖の丹沢湖です。

上は貯水側、下は逆サイドで芝生とコンクリート護岸された土手になります。



1961年(昭和36)4月より基礎調査、
1969年(昭和44)より計画開始、神奈川県企業庁による補助多目的ダム事業
1974年(昭和49)5月着工、1978年7月完成、洪水調節と神奈川県全域への上水道供給、水力発電出力7,400kw

このダム建設により223世帯が水没しました。



ダム完成前、元住民から地名を残す要望がありました。
そのため神奈川県は予定ダム名「酒匂ダム」から湖底に沈んだ村名に因み「三保ダム」に変更しています。
旧村民は故郷を懐かしんでその後、生まれた子供たちに村名に因んで「保」を名前に入れることも多かったそうです。

小説中の坂上教授はダム着工時は成人していますが名前は「和保」です。
代々の故郷を愛する祖父が付けた名でソンナことからも坂上の郷土愛は篤いです。
そうした家族の期待と郷土愛から医者になった坂上教授ですがリアルにモデルがいます、笑
坂上とは世代が違いますが三保村から移転した家の出身で無医村問題から医学を志した人です。



旧三保村は山奥の集落です、道も細くて車では乗り入れ出来ない場所もあったのだとか。
なので郵便局員は自転車で山道を登ったり、それでも住む人には離れ難かったと住んでいた方は話してくれました。
その方は代替地へ移転していましたが、旧村民で丹沢湖周辺地に移り住み今も生活している方達もいます。



ダムには写真の通り小島があります、
どんな島なのかは未調査なんですけど作中「鎮守様の山」のモデルです。
この島にモミジがあるかは知らないのですが、三保ダムから丹沢湖周辺は楓や椛が多く観られます。

初夏の今は土手に撫子が咲いていました。



というわけで加筆校正ほか遅れていますが、第76話これから随時加筆していきます。
お待たせ合間に取り急ぎ、

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