氷、結び繰る
文学閑話:滝上氷×西行
三十槌の滝@埼玉県秩父にて、岩から湧く水の氷結です。
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水上に 水や氷を結ぶらん 繰るとも見えぬ 滝の白糸 西行法師
水湧きでる源に、水の上に水は凍りついて氷結するのだろう、
凍った流れは繰って紡いだように見えないけど、滝は白い糸になる。
そんなふうに君を見ない上に逢い見えず、それでも恋い織られ結ばれるんだろうか?
出逢う前の時間から恋は結ばれているかもしれない、運命の糸は知らないうちに紡がれて手繰りよせ、そして君が来る。
西行法師『山家集』の冬、555番歌「滝上水」です。
水=見ず、氷=こほり=こひをり=恋居り・織り、繰る=来る
ってカンジに同音異義語の掛け言葉に解釈して相聞歌=恋の歌に意訳してあります。
作者の西行法師は俗名=元の本名が佐藤義清、平安末期に鳥羽院で仕えた「北面の武士」でした。
北面の武士=皇居守護兵で当時の武士階級ではエリートになります、で、皇居に仕える女官たちとも親しかった。
でも数え23歳の秋10月15日に出家して、京都の東山や嵯峨、鞍馬など山奥に住んで伊勢に移り、のち高野山に住んだと言われています。
で、出家前は奥さんも子供もいたと言われているんですけど、
よく入試やテキストに出てくる『方丈記』作者の鴨長明が書いた『発心集』第六に「西行女子出家事」と記載があります。
他には日本史学専攻なら一度は必見の『尊卑文脈』に西行=佐藤義清の子・権律師隆聖が載っています、当時の史料になる日記『玉葉』や『明月記』にも隆聖は登場しますが西行との関係は明確ではありません。
どっちにしても西行が結婚&恋愛していた可能性は当たり前にあります、
皇居に仕えて女官=当時のキャリアウーマンたちと面識もあればナンラ感情を抱くのも普通だし、笑
そんなワケで恋歌に訳して写真に添えてみました、
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三十槌の滝@埼玉県秩父にて、岩から湧く水の氷結です。
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水上に 水や氷を結ぶらん 繰るとも見えぬ 滝の白糸 西行法師
みなかみに みずやこおりをむすぶらん くるともみえぬ たきのしらいと
水湧きでる源に、水の上に水は凍りついて氷結するのだろう、
凍った流れは繰って紡いだように見えないけど、滝は白い糸になる。
そんなふうに君を見ない上に逢い見えず、それでも恋い織られ結ばれるんだろうか?
出逢う前の時間から恋は結ばれているかもしれない、運命の糸は知らないうちに紡がれて手繰りよせ、そして君が来る。
西行法師『山家集』の冬、555番歌「滝上水」です。
水=見ず、氷=こほり=こひをり=恋居り・織り、繰る=来る
ってカンジに同音異義語の掛け言葉に解釈して相聞歌=恋の歌に意訳してあります。
作者の西行法師は俗名=元の本名が佐藤義清、平安末期に鳥羽院で仕えた「北面の武士」でした。
北面の武士=皇居守護兵で当時の武士階級ではエリートになります、で、皇居に仕える女官たちとも親しかった。
でも数え23歳の秋10月15日に出家して、京都の東山や嵯峨、鞍馬など山奥に住んで伊勢に移り、のち高野山に住んだと言われています。
で、出家前は奥さんも子供もいたと言われているんですけど、
よく入試やテキストに出てくる『方丈記』作者の鴨長明が書いた『発心集』第六に「西行女子出家事」と記載があります。
他には日本史学専攻なら一度は必見の『尊卑文脈』に西行=佐藤義清の子・権律師隆聖が載っています、当時の史料になる日記『玉葉』や『明月記』にも隆聖は登場しますが西行との関係は明確ではありません。
どっちにしても西行が結婚&恋愛していた可能性は当たり前にあります、
皇居に仕えて女官=当時のキャリアウーマンたちと面識もあればナンラ感情を抱くのも普通だし、笑
そんなワケで恋歌に訳して写真に添えてみました、
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神秘で高潔で美しい。この西行の滝の歌をこういう
詠み方もあるんだ!と、感心しています。
西行は今でいうイケメンで文武両道の北面の武士
だったのに、突然の出家で宮廷の女官たちをがっかり
させました。
高貴な方を初めたくさんの恋をしたのでは?と思います。
この滝の歌を同音異義語を重ねて相聞歌に詠みとる
なんて凄いです。
ああこういうふうに解釈するとこんな素敵な恋の歌に
なるのだと目からうろこです。
勉強になりました。
西行のこと詳しいんですね、
彼の出家は当時の感覚としてセンセーショナルだったと思います、今で言えばイケメン皇宮警察官がいきなり出家遁世ってカンジですから。
同音異義語=掛詞は万葉集から歌の技法としてあります、それを詠み人の個性に掛け合わせると歌の風景は再現しやすいなと。
このカテゴリー「文学閑話韻文系」はそういうカンジで解釈つけてあります、よかったら読んでみてください、笑