萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

第85話 春鎮 act.43 another,side story「陽はまた昇る」

2017-11-24 12:16:00 | 陽はまた昇るanother,side story
fair frend, you never can be old,  永遠を咲いて、
harushizume―周太24歳3月下旬


第85話 春鎮 act.43 another,side story「陽はまた昇る」

梅まだ咲き残る、雪うたれても。

「きれい…」

微笑んでしまう、こんな時なのに。
けれど口もと馥郁あまい、花ふる雪が香らせる。
雪中梅ってこんなのだろうな?どこか懐かしくて周太は訊いた。

「美代さん、この梅いつも三月も咲くの?」
「ん、?」

大きな瞳ふりむいてくれる、その輪郭ふちどる睫どこか硬い。
緊張している、それにまだ赤い左頬がすこし笑った。

「ふふっ…そうなの、この辺は春がいっぺんに来るから、」

春がいっぺんに来る、そのとおり彼女もなればいい。

「そうだね…寒いほうがきっと、特別な春だね?」

願い笑いかけて隣、大きな瞳ちょっと笑ってくれる。
これから開く玄関先、彼女は深呼吸ひとつ言った。

「じゃあ湯原くん、田嶋先生、いいですか?」

華奢なコート姿こちら見る、その黒い髪ひとひら雪が咲く。
すぐ雫になるだろうな?春の雪に学者が微笑んだ。

「いいぞ小嶌さん、安心していけ、」

鳶色の瞳おおらかに笑ってくれる。
その言葉に大きな明眸ひとつ瞬いて笑った。

「はい、」

ちいさな手がインターフォン押す。
誰が応えるだろう、受けいれられるだろうか?
けれど雪軒端、かたん、玄関は想うより簡単に開かれた。

「まあ湯原くん、雪のなか大変だったでしょう?どうぞ、」

明るい藍染、かっぽう着ほがらかな主婦が笑いかけてくれる。
その瞳きれいに明るくて、去年も同じに迎えてくれた笑顔に頭下げた。

「あの、急にお邪魔して申し訳ありません、美代さんの進学を認めてくださいませんか?」

うつむけた視界に息が白い。
見つめる爪先に石畳が凍る、そんな玄関先に主婦が笑った。

「あらまあ、いきなり本題ね?だけど後ろの二人が凍えちゃうわ、まず入って?」

朗らかなソプラノころころ笑ってくれる。
その声よりすこし高いソプラノ、背後から透った。

「お母さん、昨日も言ったけど私が自分で決めたことよ?湯原くんのせいじゃないから、」

可愛い声、でも今は必死が鋭い。
きっと左頬なおさら赤いだろう、そんな娘に優しい声が応えた。

「わかってるわ美代、その方もお客様でしょう?まず入って頂いてね、」

ともかく入って?
そう笑いかける笑顔は温かい。
このひとが昨日、あのメール送った想いは何だろう?

……
subject:帰ってきて?
本   文:責任について話しましょう、お父さんと待っています。
……

彼女がいう「責任」は何を指す?
ちいさな不安と立つ玄関先、明朗な声が笑った。

「小嶌さんのお母さまですね?田嶋と申します、東京大学でフランス文学の教鞭を執っている者です、」

朗々、低く響く声が頭下げる。
半白の髪やわらかに陽を透けて、あざやかな赤に主婦が瞬いた。

「まあ、とうだいのせんせい?」

どうしてこんなところに?
瞠いた視線こちら見て隣を見る、その真ん中で学者は言った。

「周太くんの父親は私の親友です、立派な学者だった彼の代わりに私が来ました。ご主人はどちらにおられますか?」

鳶色の明眸がむこう見る。
そんな視線にかっぽう着姿は一歩、外に出た。

「裏の畑です、雪が気になるって見に出たんだけど、」

雪下駄からり飛石をふむ。
かっぽう着ひるがえって雪の庭、藍染あざやかな腕が指さした。

「まあ、あんなとこまで行っちゃってる。山の梅畑にオレンジ色が見えるでしょう?あれがウチの人です、」

屋敷の庭むこう、上らせる白銀の林にオレンジ色ひとつ燈る。
遠景にも見える仕事姿に学者が片掛けザック下ろした。

「お母さん、ちょっと山に邪魔しますよ?」
「は、い?」

かっぽう着姿が首かしげて、その前で学者が登山ジャケット羽織る。
朱色あざやかな背は広やかで、まぶしい白銀さくさく山へ向かった。

「まあ、まあ?先生ずいぶん速いわあ、山に慣れてるわねえ?」

深いソプラノ朗らかに笑いだす。
ころころ薔薇色ほころぶ頬が似ていて、安堵ふわり微笑んだ。

「美代さんのお母さん、やさしいね…」
「そう?かも、」

隣の大きな瞳くるり笑ってくれる。
その笑顔むこう銀色の山、登ってゆく朱色の背に声が映った。

“周太くんの父親は私の親友です、立派な学者だった彼の代わりに私が来ました。”

あんなふうに言ってくれた、だから父の時間を肯定できる。
あの笑顔と視線が父の隣にいてくれた、それが父の幸福だ。

『大切な人がいるよ、僕には、』

そう父が微笑んだ背中が今、父の代わりだと笑って山を登る。
白銀の斜面あざやかな朱色は、父が暗唱した季節だ。

But thy eternal summer shall not fade,
けれど貴方と言う永遠の夏は色褪せない、

朱夏、その季節に父といた背中が春雪を登る。
ほら?父の幸せな時間は色褪せない、想い朱色の背中に頭下げた。

「湯原くん…入ろ?お母さんが呼んでくれてる、」

優しいソプラノ呼んで、腕そっと温もりふれる。
ホリゾンブルーのウェア透かしてくれる体温、ただ優しくて頭あげた。

「ありがとう美代さん、」
「こっちこそよ?田嶋先生が来てくれたのは、湯原くんのおかげだし、」

笑いかえしてくれる瞳きれいに明るい。
さっきより和らいだ眼と雪の庭、玄関くぐって居間に通された。

※校正中

(to be continued)
【引用詩文:William Shakespeare「Shakespeare's Sonnet 104」】
第85話 春鎮act.42← →第85話 春鎮act.44
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花色写真:紫水晶の冠

2017-11-23 18:29:09 | 写真:花木点景
陽に透る、花びら鏤める水晶雫


撮影地:皇帝ダリア@神奈川県/紫水晶色=淡い藤色から紫色まで

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山寺花景、牡丹

2017-11-22 16:16:08 | 写真:花木点景
丹沢山麓の寺、絵姿から抜けでた一輪。


寒空晩秋ですけど晩春の花UPしてみました、笑
撮影地:延命寺@神奈川県足柄上郡松田町

第46回 ☆花って綺麗ですよね♪☆ブログトーナメント
〇植物の撮影時は最低50センチ離れましょう、根元の踏み荒らしで枯死します。
〇檀家さん達が大切にしているお寺です、マナー厳守でお参りくださいね。
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古民家景:秋軒端

2017-11-21 23:22:00 | 写真:建築点景
柿朱色、刈穂たばねる初昔色。


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撮影地:古民家@神奈川県某所

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街角点景:公孫樹の街

2017-11-19 20:43:32 | 写真:街角点景
昔なじみの道、いつも通り黄葉並木。


横浜市木と神奈川県木はいずれもイチョウです、笑
撮影地:山下公園通り@神奈川県横浜市

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登山装備:秋山遭難、気軽×危険

2017-11-18 10:04:16 | 解説:用語知識
安全確保は自己責任@山


登山装備:秋山遭難、気軽×危険

秋、遭難事故が多発しています。

「遭難したら警察or消防が助けにきてアタリマエ」

なんて安易な考えが一番の遭難原因だよって前にも書いたけど、
そんなトンデモ遭難者予備軍に先週末また遭いました、…あいたくないなあ二度と。

○下山途中の12時過ぎ遭遇(そいつら登り中)
○普段着
○運動靴
○登山装備ナシ

な、20代カップルだったんですけど、
おそらく何度も同じこと言われていたんだろうけど、

「この先は凍結ありますよ、」

と言っても笑って登っていきましたが、
アレたぶん下山時かなりエライ目に遭ったんじゃないかなあ、と。
こーゆー無謀登山から遭難事故するのは20代が多いんですよね、

若いからダイジョーブ、

なんてコト山ではありませんから、笑
ヘッドライトも無く午後から登ったりしたら、夜目が利く×ルート熟知の超プロでない限り事故ります。
この11月も2件4名の20代がソンナコトやらかして暗くなり行動不能→救助要請しています。

こーゆー奴らには救助有料化でイイと思います。
もう見かけても強いて止める気になりません、ただ「誰にも迷惑かけるなよ」だけ思います。
山はミス一瞬で危険に墜ちます、だからメンドクサイバカに巻きこまれたくない・だから救助隊員さん達も巻きこまれてほしくありません。

そんなバカップルに出遭った先週末は、遭難事故が多発しました。
山梨県警データ引用すると、

<山梨県警管轄山域2017.11.11~13の三日間>
遭難事故件数 8件
道迷い 1件・30代男性
滑落 1件・60代男性
転倒 3件・60代男性・40代女性・70代男性
体調不良 1件・70代男性
死亡 2件・40代男性・80代男性

全て標高2,000メートル以下で起きた遭難事故です。
内5件は下山時の遭難事故、体調不良1件は渓谷ルートのトレッキング中でした。
死亡2件については本人の証言がないため不明です。

登山は下山時に遭難事故率が高くなります。
登る時は体力も時間的余裕もあるけれど、下山にはドッチも減っているわけで、
ソンナ焦りが判断ミス×慎重さを欠いて結果、遭難事故になるワケです。

死亡した40代男性は写真撮影に出かけた後、連絡が途絶えました。
遺体発見は滝壺、踏み外して転落したことが直接の死因でしょうか。

写真撮影時の遭難事故は多いです、
特に三脚使用者の事故例は多く、雪山の烈風で三脚ごと吹き飛ばされた遭難死者もいます。
また三脚を据えるポイントが甘いためにカメラごと転倒・危険地帯に踏みこんだ果ての事故例も。
写真に囚われすぎた結果の遭難事故は絶えません。

死亡80代男性はキノコ狩りで入山したまま戻りませんでした。
山麓の渓谷で遺体は発見されたそうです。

この捜索に偶然あいました、
12日は当初、大菩薩嶺を登るつもりで行ったら警察がやたら出ており。
ぷらす団体ツアーも多く混雑していたので、あーこれ止めようと北奥千丈岳に登ったワケです。

キノコ狩りに限らず、タケノコ狩りなど採集目的の登山も事故が多いです。
無理な体勢で採ろうとした結果の転滑落、採集ブツを探して迷いこんだ結果の道迷い、
採集ブツ=野性獣の食料=野性獣の遭遇ポイントであるため、野性獣に襲われることもあります。
ツキノワグマも人間を狙った食害=ようするに人食いクマの事例も報告されています。

秋は冬眠前で野性獣も活発に食餌を探しています、
早朝と夕刻は活動時間なので要注意、クマ鈴やラジオ・話し声・笛などで警告しつつ歩いてください。


秋山は天候変化めまぐるしく、日没もビックリするほど速いです。
降雪もフツーにあります、先々週に登った奥白根山は雪×凍結で踏み跡すら不明瞭なルートもありました。
先週末の北奥千丈岳でも残雪・路面凍結・氷柱を見ました、もし道迷い・行動不能で夜明かしするなら装備ナシでは凍死でしょう。

そんな状況アタリマエな秋は遅くても14時には下山完了が安全原則なんですけど、
そういう基本も知らないナンチャッテハイカーや添乗員に引率されてるツアーもいます。
人任せにしていたら

キャンプや散策ついでの無防備登山も多いです。
たいがい「行けるとこまで行ってみよう」なんて安易な考えから登るらしいですけど、

行けるとこまでが果てるとき=体力限界→遭難死

山で体力限界になれば「逃げられない」死を待つしかないってことです。
特に気候の良い時季はよく無防備登山から行動不能、最悪は疲労凍死なんてこともよくあります。

汗や湿度・雨や雪に濡れる×山の強風→体温が一気に奪われる、体温が低下すると動物は動けなくなります。
登山による疲労でカロリーを失った×体温を奪われたらドウなるか?

簡単に疲労凍死に陥ります。
実際、駐車場から200メートル地点で疲労凍死した例もありました。
ある山寺で「なんとなく紅葉に誘われて」参道を逸れ登山道に入り・迂回ルート悪路に力尽きて死亡に至ったものです。

ルート把握×装備×体力レベル把握ちゃんとしていれば防げたことです。
この遭難者はドレも備えておらず、気軽に登山道に入りこんでしまった結果の死でした。

平地と山地は気象の別世界、
特にこれから11月の山は降雪があたりまえ、雪山装備+車もタイヤチェーン必携です。
昨シーズンも11月初旬、標高2,000あたりから雪道になった林道で立ち往生している車いっぱい見ました。
登山道でもアイゼンなしで登っちゃって立ち往生、なんて迷惑ハイカーもよく見られます・見たくないけど、笑
そんな11月初旬@北奥千丈岳の山頂はコンナカンジです。


○単独行
○地図なし
○登山計画なし
○道迷いの対処も知らない←迷ったら「元来た道を戻る=登り返す」大原則を知らない。
○装備不足&レベル不足←各自装備・安全確保は自己責任

上の5つは警察・消防・民間どの山岳救助隊でもNGに挙げています。
これ5つ全部当てはまって遭難したら、そりゃー救助隊員に怒られてアタリマエ。
山の常識ワキマエナイ危険と恥をキッチリここで覚えないと、次は死ぬからです。

こーゆートンデモ遭難者は遭難時の対応をまったく出来ません。
対応できない=救助する側が無理を強いられます、そのために救助隊員が重傷・殉職した例は少なくありません。
それでもトンデモ遭難者は「救助隊員が死んだけど登山自体は楽しかった」なんて言っちゃったりします、
それくらい無謀遭難者は「自分が悪かった」自己責任が皆無です。

なぜダメなのか反省しない=学習能力が無い

ってことです、反省しないから欠点克服も出来ないワケです。
そのため同じように遭難して、次は死んでしまったなんて例いくつもあります。

なんで上5つダメなのか?っていうと、

1.単独行=アクシデント対応が困難。

山は危険な場所、アクシデントが普通に起きるところです。
たとえば「道迷い」のとき二人だと話し合うことで冷静になれます。
もっと差があるのは「野性獣との遭遇」クマなどに襲われる危険度は単独だとかなり高いです。
転滑落でも複数人数なら、無事なほうが救助対応&通報できるため生還できるパーセントが高くなります。

2.地図なし・登山計画なし・道迷い対処も知らない

この三つそろえば「道に迷う」条件コンプリート、笑
道迷い遭難の行く先は→崖や滝を無理に降りようとして転滑落→遭難死、
なんてこと珍しくありません。

で、こういう遭難事故は低山に多発しがちです。

標高が低い=安全、っていう誤解が事故直結なワケです。

標高が低い山は仕事での入山も多い=作業道が多い。
標高が低い山は野性獣も多く棲む=獣道が多い。

こういう道は登山図に載っていないものも多いです、
そのため登山ルートを知らず歩いて迷いこむ、なんてよくある話。
実際、行方不明看板よく見るのは標高2,000メートル未満の山域が多いです。

あと、よくあるのが「赤テープ」の誤認です。
登山ルートを示す赤テープだと思って辿ったら、途中で消えてしまった。
なんてよくある話で、元来た道を引き返せばいいのに無理に下るから迷います。

3.装備不足&レベル不足

水筒も各自で持たず、運動靴でジーパンで、帽子も被らず、

悪天候の予兆も無視・午後からでも無理に登る。
コースタイム知らず日没までに下山できない。

なんてヒトたまに見ますけど、ホント迷惑なんで止めてください。
こういう迷惑ハイカーは救助したくありません、それはマジメな登山者の誰にも共通する本音です。
先週末もそんなご家族連れを見ましたけど、

「〇〇山ではオマエが滑落したろ、あんときは連れて来なきゃよかったと後悔したよ、」

なんて息子に言ってたオトウサンがいましたけど、
だったら息子のジーパン×運動靴×手ぶらを今日もナントカシテカラ来いよ思いました。
あーゆーことやらせた結果「山なんて装備ないほうがカッコイイ」なんてバカ発想して結果、迷惑遭難者になるんだろうなあと。

また登山ツアーは要注意です、
登山ツアーは初対面同士+レベル違いも多く、引率の添乗員自身が山の知識皆無なんてことも。
実際に今夏、1時間以内に雷雨がくるだろうトコをムリに登っていく登山ツアー団体を見ました。

その30分後に麓でも雨が降りだしました、山は黒雲に覆われていたので視界も足場も危険だったと思います。

こーゆー団体がいると、自分は場合によってコース変更もします。
理由は・集団遭難なんかされたら面倒ハッキリ言って見きれないから・で、マイナーだけど自分は慣れたルートに避けます。

ここ近年、登山がファッションみたいに流行って、
イケメン俳優がボルダリングや登山をやってる俺カッコイイーみたいなこと言ってたり、
テレビ企画で登山させて感動するでしょうカッコいいでしょうみたいなこと演じちゃったりして、

そうだ山に登ろうWEBちょっと検索、

なんてヤマレコやハイカーブログとか見て、
軽装備カッコいいとか・無理矢理コースタイムがデキルヤツとか勘違いして、
そんなこんなで無謀無防備ハイカーになっちゃって結局、迷惑かけたくせに逆ギレしたりなんかする。

そうなりそうなヤツを先週末に見た&遭難事故多発していたので、朝からUPしてみした。

山に関してはホントに「無知は有害」バカしちゃった結果、遭難死とか哀しい結果を招きます。
もっと哀しいのは無知無謀のバカ行動に巻きこまれた救助者まで、ケガや死に至ることです。

山を歩きたい誰もが・自己責任ちゃんと自覚して、無事安全平和に山を楽しめるといいですね。
聞いてください14ブログトーナメント

撮影地:山梨県、栃木県、東京都

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紅葉点景:深紅葉

2017-11-17 10:45:18 | 写真:山岳点景
伊呂波紅葉イロハモミジ、大紅葉オオモミジ、深紅の光り織りなす秋の瞬き。


あちこち散策55ブログトーナメント
撮影地:川上牧丘林道@山梨県山梨市2017.11

路面陥没(かなり大穴)+凍結+落葉松の葉スリップなど危険個所もある林道です、運転要注意で。
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第85話 春鎮 act.42 another,side story「陽はまた昇る」

2017-11-16 07:55:17 | 陽はまた昇るanother,side story
To me, fair frend, 佳客なる友は、
harushizume―周太24歳3月下旬


第85話 春鎮 act.42 another,side story「陽はまた昇る」

どうして、どうやってここに来たのだろう?
そんな疑問は雪ふる門前、浅黒い笑顔すこやかに佇む。

「…田嶋先生?」
「おう、周太くんも昨日からおつかれさん、」

呼びかけて返してくれる、その笑顔は白まじる髪が朱い。
日焼も雪焼もなじんだ健やかな貌まっすぐ周太を見て、マフラーうずめた唇おおらかに笑った。

「ヒサシブリの奥多摩だが、あいかわらず俺には運がイイ場所みたいだ。小嶌さんと周太くんに追いつけた、」

低いくせ徹る声、鳶色の瞳おおらかに笑う。
そんな父の旧友に周太は幼馴染を見た。

「あの、光一?どこで…田嶋先生と?」
「御嶽駅で降りたらさ、小嶌さんのお宅を知ってるかーって声かけられたね。で、事情聴取して連れてきたワケ、」

ダークスーツの長身さわやかに笑ってくれる。
底ぬけに明るい瞳は愉しげで、けれど珍しい姿に頭下げた。

「こう…国村さん、最終日おつかれさまでした、」

幼馴染で先輩は今日、警視庁を辞してきた。
その退職は言祝いでいいのだろうか?迷いに雪白の笑顔からり言った。

「ありがとね、でも月末まで休暇扱いだからさ?コトあればアレだけどね、」

小雪ふる眼ざし向こう仰ぐ、その視線に稜線が白い。
銀色けぶる山里の一隅、マフラー巻いた学者がが訊いた。

「もしかして君、警視庁の山岳救助隊員か?」
「月末まではそうですよ、」

答えるテノール涼やかに笑っている。
すっきりした、そんな貌で幼馴染は言った。

「で、周太?この教授サンはホントに周太のオヤジさんの友だちかね?東大のセンセイで周太のジイサンの教え子だ言われたんだケド?」

嘘じゃないならイイけどさ?
そう訊いてくれる瞳は黒目あざやかに澄んで、つい見惚れる。

―いろんなことあったのに…きれい、光一は、

警視庁山岳救助隊員、そこで何を見ていたのか?
その全部を知っているわけじゃない、愉快なことも美しいこともあったろう。
けれど自分と関わった場所はきれいじゃなかった、それでも澄んだままの眼に笑いかけた。

「ほんとうに父の友だちだよ?フランス文学の田嶋先生…ランボオの研究書いろいろ出されてる、祖父の本も大事にしてくれてるの、」
「ふうん?それならイイ助太刀になりそうだね、よかったね美代?」

底ぬけに明るい瞳からり笑って、ぽん、ベージュのコートの肩たたく。
華奢なコート姿こくり肯いて、大きな明眸まっすぐ学者を見た。

「田嶋先生、あの…私と湯原くんに追いつけたって、どういう意味ですか?私の合格になにか不備でもあったんですか?」

なぜ、この教授が追いかけてきたのだろう?
不安で、けれど真直ぐむきあう瞳に学者は笑った。

「不備なんかないさ、ただ責任を果たしに来たんだよ?」
「責任?田嶋先生に何の責任があるんですか、」

ソプラノが教授を見あげて問う。
ストレートな質問に鳶色の瞳は応えた。

「小嶌さんを大学の世界にひっぱりこんだ責任あるだろう?ほんとは青木が来ようとしたんだがな、あいつは学問への責任感が強いから、」

朱い髪くしゃり、右手にかきまぜ笑ってくれる。
いつもの癖ごと大らかに低い徹る声は続けた。

「でも青木が来たら入試の不正を疑われそうだろ?俺なら学部違いの門外漢だ、第三者でもある俺はご家族の説得にイイと思うが、どうだい?」

農学部と文学部、たしかに第三者だろう。
それでも関わってくれる学者に彼女は訊いた。

「ありがとうございます、あの、どうして田嶋先生がそこまで?」

第三者なら、放っておくこともできる。
それなのに雪の山里まで来た男は、鳶色の瞳おおらかに笑った。

「これは周太くんの将来に影響あるコトだろ?周太くんのことは俺にとって他人事じゃないんだ、」

他人事じゃない、そう笑ってくれる。
だから想ってしまう、きっと父は幸せだ。

『大らかな山の男…友達よりも近くて大切だね、いろんな気持があるから、』

あの夏の日、父が謳ったのはこのひとだ。
だから父は幸せだ、そんな想いに夏が謳いだす。

……
Shall I compare thee to a summer's day?
Thou art more lovely and more temperate.
Rough winds do shake the darling buds of May,
And summer's lease hath all too short a date.
Sometime too hot the eye of heaven shines,
And often is his gold complexion dimm'd;
And every fair from fair sometime declines,
By chance or nature's changing course untrimm'd;
But thy eternal summer shall not fade,
Nor lose possession of that fair thou ow'st,
Nor shall Death brag thou wand'rest in his shade,
When in eternal lines to time thou grow'st.
 So long as men can breathe or eyes can see,
 So long lives this, and this gives life to thee.

貴方を夏の日と比べてみようか?
貴方という知の造形は 夏よりも愉快で調和が美しい。
荒い夏風は愛しい初夏の芽を揺り落すから、 
夏の限られた時は短すぎる一日だけ。
天上の輝ける瞳は熱すぎる時もあり、
時には黄金まばゆい貌を薄闇に曇らす、
清廉なる美の全ては いつか滅びる美より来たり、
偶然の廻りか万象の移ろいに崩れゆく道を辿らす。
けれど貴方と言う永遠の夏は色褪せない、
清らかな貴方の美を奪えない、
貴方が滅びの翳に迷うとは死の神も驕れない、
永遠の詞に貴方が生きゆく時間には。
人々が息づき瞳が見える限り、
この詞が生きる限り、詞は貴方に命を贈り続ける。
……

あの夏の日に父が謳った、14行つづる朗誦。
翻訳は古風な言い回しだった、それが父らしいと子供心まぶしく仰いだ。
音楽のように異国の言葉を謳って、母国の音に口遊んで、風ゆるやかに透る緑の木洩が響く夏。

「湯原くん?どうしたの、」
「どうしたね周太?」

ソプラノとテノールいっぺんに呼んで、黒い瞳ふたり覗きこむ。
声と視線に戻された視界ゆるやかに霞んで、滲んで一滴こぼれた。

「あ…僕?」

頬ゆるやかに温もり伝う。
はたり、零れて瞬いた真中で大きな瞳が瞬いた。

「泣いてもいいよ湯原くん、だって、ひとごとじゃないって、嬉しいね?」

ソプラノ微笑んで、きれいな明るい瞳が笑ってくれる。
また受けとめてくれた、この信頼やわらかで微笑んだ。

「美代さんって、いつもわかるね…どうして?」
「私も同じだもの、うれしかったから。昨日も今朝も、」

応えて微笑んでくれる、昨日と今朝に。
こうして響きあうから募ってゆく、けれど、ほら?思いだす。

『周太、俺もう行かないといけないんだ、』

数日前の雪の夜、あなたが残した言葉。

『連れてくよ、じゃあまた明日な?』

また明日、そう言ってくれたのに何日過ぎた?
そんな約束放棄がソプラノの声なおさら沁みる、泣き叫びたい。

“明日はいつ来るの?”

叫んで呼びたい、あなたのこと。
けれど今はするべきことがある、その誇らしい責任に微笑んだ。

「…ありがとうございます田嶋先生、美代さんの応援よろしくお願いします、」

頼れる人、その厚意に甘えさせてほしい。
それが彼女の道を拓くことになる、そう信じる先で鳶色の瞳が笑った。

「応援になるか解らんけどな、悪者くらいは役に立つぞ?」
「はい…え?」

うなずきかけて立ち止まる、なんて言ったのだろう?
言われた言葉に見つめて背中、とん、敲かれて幼馴染の温もり笑った。

「トリアエズよろしくね周太、そしたら俺んちに昼飯おいで?」

(to be continued)
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紅葉点景:大弛峠へ朱色

2017-11-14 11:28:13 | 写真:山岳点景
登山帰路、林道かたわら朱色紅葉。


伊呂波紅葉イロハモミジ、大紅葉オオモミジ、
枝に交わす朱赤×黄金グラデーション。


第2回 ☆紅葉・黄葉☆ブログトーナメント
撮影地:川上牧丘林道@山梨県山梨市2017.11

路面陥没(かなり大穴)+凍結+落葉松の葉スリップなど危険個所もある林道です、運転要注意で。
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花色写真:桜色に氷雨ふる

2017-11-13 23:55:44 | 写真:花木点景
一雨一寒、霜月に咲く桜の色。


季節を感じるお花さん74ブログトーナメント
撮影地:十月桜@神奈川県

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