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Pretenderの備忘録

児雷也豪傑譚話

2005-11-13 21:47:50 | 歌舞伎
新橋演舞場にて。
二階右12番。

菊五郎劇団が古典を復活させて、それをどう現代的にアレンジしたかという芝居。
役者の見せ場もあるが、それは芝居のうまさではなく、アクションであり、演出がどうであるかの勝負の作品と言える。演出は菊五郎。
発端、序幕はスーパー歌舞伎を思わせる。序幕第四場のだんまりでは、蛇、蛙、蛞蝓の人形が出てきて笑える。最後に菊之助の宙乗りでスーパー歌舞伎風のクライマックスとなる。
第二幕になると、コメディーになる。現代風刺存分に取り入れた笑いを取ろうという嗜好。野田歌舞伎を思わせる。音楽もビバルディーの春やボレロだったりする。第二場では、「普通」の歌舞伎が演じられる。
大詰め。第一場、第二場は「普通」の歌舞伎。第三場になり、スーパー歌舞伎に戻る。今年のヤマトタケルでは、京劇の要素を取り入れたが、それに近いイメージ。菊之助、松緑とも大立ち回りは、かなりシャープで、普通の歌舞伎とはだいぶ趣が違う。
いろいろな要素が詰まっていて実験として面白かった。古典だから全く書き換えるわけにも行かないのだろう。しかし、なんというか、スーパー歌舞伎→野田的→普通の歌舞伎→スーパー歌舞伎という感じで、通し狂言であるにもかかわらず、話の脈絡、場の設定のつながりがなく、なんともごった煮という印象は否定できない。その中で、なんでも器用にこなす菊之助が光っていたと思う。
場の切り替えにだいぶ時間がかかっていた。仕掛けが大掛かりなので仕方ないのかもしれないが。


コメント
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