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Pretenderの備忘録

北斎展

2005-11-16 23:10:15 | アート
昼休みに抜けて行って来た。
特に並ぶことなく平成館に入ることができた。入ってからは確かに、浮世絵の前は最初から最後までべったりと人の列ができていて、所々、それが2,3列になっていた。僕は身長があるので、その列の外側から見て回ることができた。老眼も始まっているようで、最近近くのものを観るのがしんどいので距離感としては良かった、笑。
北斎は富獄三十六景と北斎漫画のイメージが強いが、一生を年代を追って、美人画などから変遷していく様子が良くわかり、非常に面白かった。北斎に対するイメージも変わった。ルノアールの初期の作品は非常にセザンヌの影響を受けていて、セザンヌと見紛うほどなのだけど、スタイルが確立されるまでというのは画家の一生をみていくと非常に面白いものがある。また、浮世絵師の人生ってなぞに包まれた写楽にしても、面白いなあと改めて思った。前半からちょうど入れ替えた直後で今週の作品数が一番少ないようだ。歌舞伎版画が前半に多く、それが残念だった。
1979年だったと思うが、「帰ってきた浮世絵」と銘打ったボストン美術館所蔵の浮世絵展が国立博物館で行われたのを覚えている。その後、90年代前半に僕がボストンで学生生活をおくることになり、学生は美術館がただということもあり、通いつめた。岡倉天心が関わったアジアセクションの中で浮世絵の展示スペースは数十枚で、割合と頻繁に入れ替えが行われていた。
僕のようなサボリーマンもぱらぱらいたが、ご老人の波。いやー、この人たちは小金をもっているわけだし、時間もあるのだし、これからの日本がどうなるかは本当に、この人たちの時間とお金がどうやって費消されるかにかかっていると改めて実感。
帰りに、プーシキンの図録を持ってらした60台だろうか、ご夫妻に混み具合を聞いてみる。「今日は凄い混雑でしたよ。老人がただの日だったんですよ」今日、プーシキンに行かなくて良かった以上の情報は得られなかったが、老人は北斎展だけでなかったという現実。凄い。

コメント
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