石川智也 柏書房 2021
朝日新聞記者による朝日批判と言われているが、必ずしも全てがそうでもない。朝日に代表される「日本のリベラル」への批判ということが言えよう。原発については、結構明確に朝日の姿勢を批判しているが。
世間とか正義の問題、フェミニズム、憲法9条、原発、沖縄、天皇とスリリングにテーマについての「日本のリベラル」の欺瞞が暴かれていく。欺瞞というか、勉強不足、思考停止と言ったほうが良いのかもしれない。
インタビューは、法哲学の井上東大名誉教授が、立憲主義や憲法9条について、鋭い指摘を行う。原武史教授が、天皇制について、当然だが見失われてきた視点での指摘を。そして、オリンピックについて、博報堂出身の本田氏が、本質を指摘。このインタビューについては、自分が今まで思っていたことを見事に言ってくれたという感じだ。ただ、井上先生の指摘に、日本のリベラルは、国民に対して傲慢というようなところ、上から目線だよなあとも感じた。
刺激的で面白い本だった。ここから真っ当な議論がなされればよいと思うが。