フランシス・フクヤマ著 会田弘継訳 新潮社2023
古典的なリベラリズムを擁護すると明確にして、古典的リベラリズム、ネオリベラリズムを紹介し、ここ数十年の時代変遷と問題点を考えている。ロールズの正義論やデリダの脱構築、あるいは経済的なリベラリズム等、その地平は幅広く、刺激的だ。
最近、思うのだ。古典的リベラリズムとは、旧来の「エリート」教育を受けた者の思想であり、それに対する揺らぎが左派からも右派からも来ているのではないか。それは、「エリート」教育を受けた者が、ネオリベラリズムに乗っかり、自己の富の増殖に励んだことが解ってしまったからではないか。オバマとトランプを考えるとそう感じる。