岡田暁生 片山杜秀 新潮選書2023
クラシック音楽の歴史をバッハ前から今日まで、自由闊達に政治、社会と関連付けて語る。大学教授であり評論家の2人は、博覧強記。知らないこともたくさんあり、非常に勉強になった。また、学者の本らしく、注もそれなりに充実。従来の教養主義へのアンチテーゼ的な側面がありながら、結局教養主義に陥ってる、まあ大学人なのだから当たり前。入門書ではないだろう。
328ページに、大平正芳の田園都市国家構想が、1971年発表とあるけど、ホントかね。田中の日本列島改造論(1972)に対するアンチとあるが、編集者、きちんと確認したのかね。
私なりに副題をつけると、だから評論家は嫌われる、ってところ。でも面白いし、勉強になる。