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Pretenderの備忘録

我々はどこから来て、今どこにいるのか?

2024-03-12 23:14:45 | 読書
アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか 上
民主主義の野蛮な起源 下
エマニュエル・トッド著 文藝春秋2022

刺激的な本である。人口の流入出の統計、家族構造の違い、宗教と識字率を用いて、各国の歴史的な変貌を見ていく。
下巻になると、現在を語ることになる。教育が作る格差。米国では刑務所が黒人ゲットーになるという指摘。トランプの登場に至って、人種対立でなく経済対立という格差が指摘される。同性婚を認めている国の方が出生率が高いとの指摘があるが、同性婚と出生率の前に、同性婚が認められる国はリベラルで女性が働きながら子育てしやすい国なのではないかという気がする。統計学の難しいところだ。ロシア侵攻前のウクライナを肯定的に語り、ドイツにはフランス人らしく厳しい。日本には好意的だ。そして中国、ロシアを語り、リベラルデモクラシーの将来に悲観的な感じで終わる。
並行して同じような本を読んでいて、ちょっと頭が混乱したが、こうした考えが今のアカデミアの主流なのかなと感じた。原著は2017年。

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