あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

石鎚登山 1 かたつむりの山登り

2023-09-11 21:53:00 | 山登り・里山歩き
 石鎚へ
 もう、何ヶ月も前から決まっていたことでした。人気の頂上山荘に泊まって星空とご来光を見るという…わたしが頑張ったのはこの計画があったからです。しかし、直前になって問題発生。
 その1 一週間ばかり天候不順でトレーニングが出来なかったこと。しかも予定の土曜日曜日は雨の予報。
 その後2 登山コースが土小屋ルートから成就社ルートに変更になったこと。
去年、二の鎖下まで登って、このコースは、2度と登りたくないと、思ったきつい道です。

 去年の記録を見てみたら、登頂までに6時間もかかる計算になりました。

 ただ、登っても降りる必要はありません。水や食料は半分でいいし、夏なので寝袋も要りません。午後4時に到着すればいいということなので、ゆっくり行けば大丈夫かな?こんなチャンスは2度とないかもしれません。
だけど準備だけは念入りに。そのためゴアテックス(防水性、撥水性、保温性にすぐれた)のジャケットと、酸素ボンベを買ってきました。
 酸素ボンベ? 
 一昨年頂上まで行った時、ちょっと頭痛がして高山病っぽかったから。2000mにも足りない山ですが、歳が歳ですから。
 それでも足りない気がしたので、ロープウェイに行く途中、ドラッグストアでカロリーメイトやゼリーを買い足しました。実はこれが時間のロスでした。

 予定していた便に乗り遅れ、この時間に登るのはわたしだけかと思いましたが、お仲間がいました。登山慣れしたシニアのグループとお見受けしました。




 同じく乗り合わせた、法螺貝を吹く郵便屋さんの演奏を聞かせてもらい、


 ここでもちょっと時間を取りましたし

 成就社にお参りして


 ここでおにぎりを食べて。これもゆっくりしすぎた。

 神門をくぐったのが12:25
 成就社ルートは、正式には表参道。信仰の道なのです。神門が参道、の入り口です。

 ロープウェイで一緒だった皆さんがここでお弁当を食べていました。これもわたしが気を緩めた原因です。いや、この人たちのせいというのではありません。あくまでわたしの見通しが甘かったのです。

 お弁当を食べていたみなさんにはあっさりと追い抜かれてしまいました。

 大きな木が根っこごとえぐられていました。

 登山日の数日前、大雨が降りました。リアルタイムで送られてきた画像には雨水が洪水の川のように流れていました。あの雨で
えぐられたのでしょうか。
 地面はどろどろで新しい木道が敷かれたところもありました。ありがたいことです。
 
  遥拝の鳥居 12:50 山頂まで行けない人はここで拝みます。

 ガスが出て幻想的な風景でした。



 道はいったん下り坂
 成就から1k m 12:58  ここまで33分。平地の2倍の時間がかかっていました。
 ここが八丁坂の鞍部。すり鉢状の道の一番底になります。


 ここからはひたすら坂を登ることになります。
 去年は何も知らずに黙々と登ったけど、まだ記憶に残っているから余計にしんどい。



 成就から1.1k m 13:13
 100m歩くのに15分‼️ 10mを 1.5分 1mを?9秒‼️
 亀どころかカタツムリの足取りですよ。


 
 真ん中にゴリラが? さて、どちらが歩きやすいか?常に考えて歩かなければなりませんでした。まだまだ先は長いのに、しょっちゅう靴が岩に引っかかるのです。まずい、足が上がってない。トレーニング不足を痛感しだしました。



 このような階段を川の堰堤のように水が流れていたのです。しかし、傷んだ階段は何箇所も修理されていました。


 そして、いきなり階段が消えたように見えたら、そこは道が直角に折れているところです。
 そうそう、去年こんな階段を登った先に飴湯を売っているお店があったなあ。もうすぐあの店につくかな?
 しかし、期待は何度も裏切られました。直角に折れ曲がった階段はいくつもあったのです。
 この日は登山者が少なかったらしく、ロープウェイの駐車場もガラガラでしたし、行き合う人も少なかったのですが、わたしに話しかけてくれる人もいました。顔を覗き込むようにして
「大丈夫?お仲間はずっと先だったけど?」 
「ああ、わたしの連れは多分頂上に着いています。大丈夫ですよ。」わたしは元気に答えました。本当に、遅いけど疲労困憊ではなかったので。
 山で挨拶を交わすのは、安全確認のためでもあると聞いたことがあります。この日、出会った人で挨拶してくれなかったのはただ一人。答える気力もなさそうだったので気になりました。あの人、ロープウェイの最終便に間に合ったかしら。
 
 角を曲がるたびにガッカリしながらようやくお店に繋がる階段にやってきました。そうそう、近くに岩があったんだっけ。あれが試しの鎖だったような気がします。




 1.9  Km 地点 14:39 
 
 前社が森の売店 14:51


 去年、ここのおっちゃんにあとどのくらいで休憩所かと聞いたら4.50分と言われました。しかし、実際は1時間以上かかりました。
 もう、下山する人にも会いません。たった一人、休まずに歩いていたら
 
 とっくに先に行ったはずの例のグループの一人が、荷物も持たず歩いているのが見えました。 相当お疲れの様子。ペースが早すぎたんでしょうか。
 雨がポツポツと降ってくるし、遠くで雷はなるしー ひとりぼっちは覚悟していたとはいえ、やっぱり寂しかったのでちょっとホッとしました。

 その人を追い越して

 2.1Km 夜明かし峠 15:08 
 200m歩くのに29分!

 昔ロープウェイもなかった頃、石鎚へ登ると、この辺で夜明けを迎えたという峠です。





 ここからは少し坂が緩やかだったはず。そして、去年は、道の先を行く鳥に癒されたのです。
 ここで娘から電話がありました。
「まだそんなとこ? 休憩所からでも1時間かかるんよ。5時までに来れる?5時半からご飯だからそれまでには絶対来て。」
「多分5時には着くから」

 正面に休憩所と鳥居が見えてきました。



 一の鎖あたり 2.7Km  15:47


 休憩所鳥居の下 16:03
 ここは成就へ行く道と、土小屋に行く道との分かれ道。さっきの下山を急いでいたご老人、もしかしたら間違えて土小屋へ行き、引き返したのかも。よく間違える人がいるのだそうです。



 ここでちょっと腰を下ろして一休み。先ほどの人が追いついて待っていたお仲間と先に行きました。
 
  
 頂上まで0.5Km  16:13



 けどわたしがすぐに追い越して、振り返っても姿が見えなくなりました。こういう時、どうすればいいのだろう。連れになって歩くには、時間も心にも余裕がないし、かと言ってさっさと行くのも心配だし。
 娘にもうすぐ着くと電話したついでに、後から来る人のことを伝えておきました。

 あと400m  16:32  100mを9分


 あと300m   16:43  ここまで11分



 三の鎖


 一昨年、心が折れてトラオパパに電話したのはこの辺りだったと思う。あの階段でこっちを見ながら待っていたウマオが子犬に見えたっけ。


 京都旅行でもウマオは子犬のようでした。だけどあれから2年、山ではもう子犬ではありません。鎖場大好きの山猿になりました。
 さっきの人は来ているかな?
 振り向いて見たけど、姿は見えませんでした。
 霧が晴れて下の景色が見えてきました。


 それから10分ほどで山頂に着きました。
 16:55  やった、約束通り五時までに着きました。
 山頂荘のスタッフ、娘たち、先に行ったグループの人、総出で迎えてくれました。けど大歓迎というわけではなく、

 トラオの顔が怒ってた。

 結果オーライだからいいけど、
 いいけどねえ、心配したんよ。と、娘。

 ごめん、心構えが甘かった。

 5時から神事が始まるということです。荷物だけ置いて、神社に案内されました。
こっちの方が段差が低いですよ。って労わってくれてるのがわかります。ヤキモキさせて申し訳ない。けど、足も動かないほど疲れていたわけではないのです。

 神事が終わってみんなが振り返った時




 天狗岳が一瞬姿を見せてくれました。よかった、歓迎してくれてる。そう思った瞬間でした。

               続く

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6 コメント

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あら~、いったい何が!? (ぴあ野)
2023-09-12 11:51:44
時系列の文章に、ドキドキしながら拝読。
今は山城歩きどまり、若い頃ですら、
仕事で登山をする羽目になって、泣きそうになりました。
あ~、想像しただけで、心臓が山道を歩くごとく、バクバクします。苦しい!w

登山のマナーも参考になります。
山城歩きも、軽いトレッキングですから。
やっぱりお声はかけたいし、かけてほしいですものね。

憧れの石鎚山、さて、どうなるのかしら?
お次を楽しみにしております。
返信する
こんにちは (みーばあ)
2023-09-13 16:46:16
しっかり準備されて自分の体調に合わせて歩かれたんですね
時間も確認されながら
凄いです
山は自分のペースで歩くのが良いですよね
元気な人に合わせてると疲れてしまいますよね
続き楽しみにしています
返信する
Unknown (あたこ)
2023-09-13 23:59:36
これを年寄りの冷水と言われないよう頑張ったつもりなんですが、身体は正直でした。登山てしんどいですよね。いつもそう思いながら歩きます。花や生き物の少ない道は特にしんどいので、実はこのルートは好きじゃないんです。
時系列で書いたのは自分の記録のためです。要所要所で写真を撮っておくと通過時間が分かりますので。今回は京都のような劇的な展開はありませんでした。
返信する
Unknown (あたこ)
2023-09-14 00:05:50
みーばあさん
マイペースがとっても大切だと、今回は特に思いました。登り慣れた人でも体調悪いとバテバテになるんですね。
時間はね、自分の記録と、小休止を兼ねて写真を撮るんです。前のと比べると参考になります。
けど、今回も一人旅でね、日暮近くになるとやはり心細かったです。
返信する
石鎚山!登山! (れんげ)
2023-09-15 05:50:51
あたこさん
おはようございます。連日気になりながら、コメント書けませんでした!石鎚山って、あの修験道の山!ですよね。それを?朝早くからでしょうが、夕方5時まで!続行して歩くスタミナに頭が下がります。早朝開始(夜中からもありましたが)でもう遅くても2時~3時到着までしか計画しない若い頃の北や南アルプスでの縦走でしたよ。
夕方は不安になるのに・お一人で!意志が強い方なんですね。小屋ではお嬢さんやお孫さんのウマオ君が待っててくれたんですね。
途中経過がよく解って、臨場感がありました。
あた子さん、大丈夫かしら?と本気で心配してしまいました。でも何はともあれ登頂して、皆に迎えられて無事でよかったです。なんか・写真も撮って、余裕もある感じです。でも酸素ボンベまでお買いになって持参したのですね。私が若い頃の登山は、お米まで持参して飯盒で炊いたものです。テントと寝袋持参で水に食料と重装備でしたよ。
今は、お風呂にはいれるけれど、昔は(わぁーずいぶん昔です)帰りの温泉に入るまで風呂抜きでした。小屋は満員で顔の横に他人の脚があった頬でした。小屋に予約なんかせず、山小屋は困ったら絶対ノーとは言わない時代です。衣食住背負っていきましたよ(#^.^#)帰宅したらもう足も顔もバンバンに腫れ上がって暫くはお岩さん状態でした。それでもまた登りたくなりましたよね!あた子さんの続き、楽しみにしています。今日は一寸脳外科へ。
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Unknown (あたこ)
2023-09-16 09:38:35
れんげさん
わぁ、山ガールだったんですね。
米、寝袋背負って山小屋泊まり。
わたしも
学生時代、一度だけあります。初めての登山が石鎚から瓶ヶ森の縦走!何もかもリーダーの借り物でした。武勇伝もありますよ。またいつか機会があれば書きます。
現職時代は、みんなを安全に登らせ下山すること、それだけを考えて登っていましたから、山を楽しむなんて余裕はありませんでした。自由気ままに登れだしてやっと楽しむことができました。
五、六時間も歩けば登って降りられる山なんですよ。それを登るだけの片道の思ってだいぶ油断しました。登り始めが昼過ぎですから。
頂上荘は、基本、神職さんたちの宿舎なので予約しないと泊まれません。山のてっぺんなので水は貴重品。風呂もシャワーもありませんでした。これについては次回に書きますね。
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