昨年12月から三つのコンサートに行ってきました。それも同じ日に何かしらのイベントとセットで、気ぜわしくしかし心豊かなな時間を過ごしました。
三つのコンサートを一文字でいうなら
1つめは 動
2つ目は 楽
3つ目は 浸
一つ目「動」は感動
この日午前中は県展を見に行きました。
会場は城山公園内にある県立美術館。
すてきな作品をたくさん見た感動に浸る間もなく、お昼ご飯に公園のキッチンカーでベトナムのサンドイッチを買って車の中でかじりながら移動しました。コンサートの会場は道後にあります。もう駐車場はないだろうと見越して、電停近くのコインパーキングに車を停め電車に乗りました。が、これは途中で別方向へ行くので、そこから徒歩で県民文化会館へ。何とかぎりぎりに間に合いました。
今回のコンサート、実は一年前の清塚信也&藤岡幸夫のコンサートの時にチラシが配られまして、楽しみに待つこと1年。歳をとってからの1年は早いですけどね。
まあ、上までぎっしりね。という声が聞こえたので振り返ってみたら、ほんとに!
写真はコンサートが終わって出がけに撮ったものです。5階まであります。
電灯が星のように輝いていました。
さて、演奏ですが
モーツアルトの「後宮からの誘拐」で始まりました。
わたし、めちゃくちゃクラシックのファンというわけではなく、楽曲にも詳しくありません。わざわざCD買って聞くわけでもなく、演奏者の聴き比べなどできるわけもなくー 要するにミーハー。
テレビなどでよく知っている演奏者を追っかけているだけなんです。
モーツアルトは、好きかと聞かれたら、まあ、もっと後の時代の人の方がいいかなあ。でも生の演奏会では聞く機会は多く、それも私の知らない曲ばっかり。音楽の多彩なこと、演奏者に多様な解釈が許される幅広さ、そこが魅力なのかなあと、ちょっと見直してきました。
読売交響楽団は結構ゲストに人気者をそろえてくるのです。(昨年 清塚信也&藤岡幸夫 今年 角野隼人&大井剛史 来年 HIMARI&原田慶太朗 指揮者もテレビで見たことのある人ばかり)しかもお値段が比較的安い。年金生活者にはとっても助かります。地元の銀行が特別協賛しているからかなあ。
モーツアルトの演奏は素人耳の私には普通に良かった。圧巻だったのはそのつぎのラプソディーインブルーです。
ユーチューブで人気の角野さん(かてぃん)の実力を最大限に発揮できる選曲だったのかなと思います。オーケストラとの掛け合いは変な言い方ですが暖かい・・・つまり息ぴったり。そして、かてぃん渾身のソロパート。即興や、鍵盤ハーモニカの素朴な音色も織り込んで、その演奏に知人の言葉によると「心が震え」ました。同感!
私の席は大分前(階段ではなくフロア部分)だったのですが残念なことに右端のほう。目の前にかてぃんの左足が見えました。顔は見上げる位置にあって半分隠れていました。なのでわたしは激しく床を打つ足だけを見ておりました。(ふだんは見えないものね)それだけ熱がこもっていたというわけです。
ここでアンコール。スワニーを演奏してくれました。
次はラベルの「ボレロ」これ、中学校の音楽の時間に鑑賞教材で聞いて以来ずっと好きな曲。でも生で聞いたことはありませんでした。そしてこれがまた魂が震えるくらい良かったのです。
同じ旋律が繰り返し繰り返し流れるだけですが、初めのクラリネット?だけの演奏から次第に金管が加わり最後に全楽器による猛獣の咆哮のような激しい盛り上がりがぷつっと終わるその瞬間まで息をのんで聞きました。いつもなら途中で中だるみが来てふと気を抜いてしまうわたしですが、気を抜く間がなかったーそして一つ一つの楽器の音色の美しいこと。それぞれの楽器奏者の腕の見せ所があるって演奏者も聞き手にも幸せなことだなあと思いました。
これも残念なことにあまりにも席が前すぎて楽器が見えなかったのです。まあだいたいの音はわかるものの生演奏では演奏者のパフォーマンスを見るのも好きなので、(特にバイオリンンの弓が揃って揺れるところなんか)とても残念でした。
いつも松山の聴衆はおとなしいのです。きっと演奏者からすれば物足りないのではないかといつも思います。でも精いっぱいの気持ちを込めて拍手していることがわかりました。何度も何度も舞台によびもどされてアンコールはクリスマスに近いからと、くるみ割り人形のなかから「金平糖のおどり」なぜかというと指揮者曰く「今日は優秀なチェレスタ奏者がいるので」、とそこでひょこっと立ち上がったのが角野さんでした。
え?いつからそこにいたの?
思いがけずチェレスタの音色まで聞けて本当に「感動」の演奏会でした。
帰りは余韻に浸りながら駐車場まで歩きました。
平和通りのイチョウが散り始める頃でした。
もうだいぶ前のことです。
長くなりましたのであと二つは次回に。
凄く感動的なコンサートだったんですね
一年も前から待っていた甲斐が有りましたね
どんな演奏だったのかなと想像しながらあたこさんの文を読ませていただきました
素晴らしい時間を過ごされたんですね