あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

アサギマダラの飼育5 放蝶 +オオムラサキの幼虫

2023-07-15 00:04:00 | 生き物
 まずは

 オオムラサキの一生をまとめました

 

 羽化したオオムラサキは、7月から8月にかけて交尾し卵を産みます。 卵は一回に十数個くらいかな? 肉眼ではっきり見えます。 薄緑色で手まりのように緑の筋が入って、とてもきれいです。 残念ながら写真がありません。

 

 有精卵の卵は2週間くらいで孵化します。 だんだん色が茶色っぽくなってくるので、生きていることがわかるのですよ。 幸運にも孵化は2回見ることができました。 孵化したばかりの幼虫は、マッチ棒の先みたいに頭だけが大きくて体は透き通るようにはかなげです。

 でもすぐに緑色の体になって葉っぱと一体化してしまいます。

 わたしの1番のお気に入り写真

 この顔❤️

 11月、エノキが落葉する頃になると、体は枯れた榎の葉っぱの色になります。  冬眠させるため、子どもたちと落ち葉を一枚一枚はぐって探したことがありますが、見事な保護色で、うっかりすると見逃してしまいます。

 越冬に成功すれば、3月末には再びエノキに登ってきて、木のこぶのようにへばりついて新芽の出るのを待っています。 そして、エノキの葉っぱをもりもり食べて体長5センチくらいになるまで成長するのです。そして6月にはさなぎになって6月中旬から7月上旬に次々と羽化します。 オスの羽化のほうが少し早く、メスは遅れて出てきます。それまでオスを生かしておかなければ産卵は望めません。 

 しかし、何もしなくていいはずの越冬が一番難しかったのです。1年目に孵化した幼虫は、管理が悪くすべて死んでしまいました。 2年目3年目は卵を産まず、4年目に再び越冬に挑戦しました。 できるだけ自然に近い状態を作り万全の体制で臨んだはずなのですが、生き残ったのは数匹だったようです。わたしはこの結果を見ずに転勤しましたのでその後のことはわかりません。

 卵を産んでも産まなくても、毎年県の職員の方から幼虫を頂いていました。それは県外から手に入れてくれていたのですが、科学博物館の学芸員さんから、県外産の蝶をここで放すのはよくない、との指摘がありました。蝶にも固有の遺伝子があって、そこに他地域の遺伝子が混ざると遺伝子の撹乱を起こすと。

 結局このプロジェクトは立ち消えになったようです。

 さて、アサギマダラです。

 わたしたちが三週間も放蝶せず狭い小屋で飼い続けたのは、オオムラサキ時代の「遺伝子の撹乱」という言葉が忘れられなかったからです。他県から取り寄せた蝶をこのまま放してよいものだろうか。もっとも娘は、卵を産まないなら放せばいいと、簡単に考えていたようですが。

 オスが死んだ次の日もう1匹、動かなくなりました。多分翌日に生まれた子です。

 ダメだ、やっぱり放してやろう。



 わたしは3週間生きたらまずまずよく生きたかなと思ったのですが、調べてみたらアサギマダラは別格でした。4ヶ月も生きるんだそうです。遠く海までも超えて旅するので、そのくらい生きるんだとか。ならばわずか3週間で死なすわけにはいきません。
 愛媛に来るアサギマダラの中には北陸地方や近畿地方からもやってきていることがわかっており(マーキング調査)沖縄県までも行っているそうです。これだけ移動するのですから遺伝子云々は考えなくてもいいのではないか、という結論に達しました。
 動かなくなった蝶を外に持っていき手のひらに乗せたら……
 生きていた! あっという間に空に舞い上がりました。
 待って、写真に撮っておく、というので次の蝶を手に載せたら……
これまたすぐさま手から離れました。結局3匹とも1秒たりともとどまってくれなかったのです。
 今頃はどこを飛んでいるのでしょう。
 これは石鎚山で見たアサギマダラ。、




 ヒヨドリバナの蜜を吸っています。


 アサギマダラは桜三里にも飛んでいますし、車の多い道沿いの畑にも目撃情報があります。だったら成蝶を呼び寄せることはできるのではないか、そんな話をしていましたら、今度はどこからかフジバカマを手に入れてきました。フジバカマもアサギマダラが大好きな花です。

 さて、そんなに簡単にいくものでしようかねえ。



 それが、意外とすくすく育っているのです。


 


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6 コメント

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おはようございます (みーばあ)
2023-07-15 06:41:09
オオムラサキの幼虫の顔可愛いですね
好きじゃないけどこの顔は可愛いと思います
こうして観察するとかわいくなりますね
嫌いと決めつけては駄目ですね
そしてやっぱり自然界に介入するのは大変なことなんですね
やたらに飼育すれば良いという事でもない
アサギマダラ
空高く旅立ちしたんですね
何処まで飛んで行ったでしょうか
ロマンですね
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アサギマダラ&オオムラサキ (れんげ)
2023-07-15 07:59:14
あたこさん
すご~い!
アサギマダラ、よく高尾では見ていますし、
若い頃は遠くまで行っていたので、当たり前に出会っていました。あの優雅さが素敵よね。
それが海を越えて遠くまで飛ぶなんて不思議!
必然性があったのかしらね・・
オオムラサキは、愛くるしい!
オオムラサキはむか~~し、埼玉のオオムラサキの飼育施設で(今もあるかしら?)であったけど、
もう、よく覚えていません。国蝶なのにです。(#^.^#)
しっかりとした文で頭が下がります。
また、もう一度ゆっくり、読みに来ますね。
今日も観察会です。 ^^) _旦~~
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Unknown (0101eiko)
2023-07-15 15:59:17
こんにちは。死んだと思っていた蝶が生きていて、手のひらからとびたったところ、感動しました。あっという間だったのですね。
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Unknown (あたこ)
2023-07-16 08:42:40
みーばあさん
山を超えて海を渡りー
本当にロマンです。美しい姿とその生態が人を惹きつけるんでしょうね。人気の蝶です。でも、人が介入するのは最小限にとどめたい。つくづく思いました。
愛媛県産のオオムラサキなんてねえ、飼育して即標本にしてしまう人もいるんですよ。絶滅危惧種をですよ。😫
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Unknown (あたこ)
2023-07-16 08:49:20
れんげさん
アサギマダラは優雅に飛びますね。オオムラサキはバサバサという感じ。きれいさではどちらも遜色ありませんが、海山を越えるというその生態もアサギマダラの人気の一つだと思います。見かけによらず強い蝶なんですね。
オオムラサキは羽を閉じていると地味で目立ちにくいです。どこかでであつていたかも?
こちらでは絶滅危惧種なので、あの経験がなかったら一生見られなかったかもしれません。
観察会の成果、楽しにしています。
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Unknown (あたこ)
2023-07-16 08:55:54
ei koさん
宛名が毎回違ってすみません。今後はこれで書かせていただいていいでしょうか。
さすが海を越えるだけあって逞しい蝶でした。オスには気の毒なことしましたが、3匹放すことができてよかったです。
今度はアサギマダラが立ち寄ってくれる庭作りを目指します。なんて、まずは草引きです😅
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