金曜日、と言っても一週間前の金曜日、明日は県展への搬入最終日です。何がなんでも仕上げなければなりません。幸いというか、この日は一日中雨。家にこもって作業に没頭しました。
成就社付近から見える石鎚山。それらしく見えるけど実はけっこういい加減。
さらに全体の様子を見て色を補強し、最後に色止めと艶出しのための仕上げ剤を塗らなければなりません。
途中経過ですが、今回は、アケボノツツジと
成就社付近から見える石鎚山。それらしく見えるけど実はけっこういい加減。
これを掛け軸に仕立てるつもりです。今回、染め終わるのが割と早く、余裕じゃぁ、と、桜ばかり気を取られていたらー
この仕立てに思わぬ時間がかかったのです。
まずは、配色革の配置。節約のため、できるだけ手持ちの革で間に合わすことにしたので、必要な革がギリギリしかありません。
どうやったらうまく収まるかしら、そんなことばかりに時間をとられました。
掛け軸の構造はこんな感じ。
必要なのは、まず、染めた絵の部分の上下を飾る細い革。
豚革ですが和風のプリント、金のラメ入り。
これを手縫いで繋ぎ合わせます。これは十分あったので迷いませんでした。
それから、染めた作品を貼り付ける台紙がわりの色革。牛一頭分のかなり広い革でしたが、こんなシワのところは柔らか過ぎて使えません。なるべくしっかりした部分を使うのですが、そうすると革が足りないので、多少のシワはどうしても出てきます。
全く使えない、脇の部分の皮。よく伸びて形が崩れます。
更に上下に別の色革をつけます。
これはしぼの多いゴードの革を。キャメル地がきつい感じがしましたので、金のアクリルカラーを薄く塗って少し柔らかめの色合いにしました。
どうでしよう?上が金を塗ったもの。下が元の色です。
ゴードはヤギ革ですからもともと小さいのです。シワのある部分を避けると、これもギリギリでした。
こちらは千鳥掛けで縫い合わせます。
次に裏に豚革を貼り付けます。縫い目も隠れるし、ふにゃふにゃの革がしっかりします。
裏革は、表より広くなくては綺麗に貼れないのですが、これがまた足りない。友人から革を譲ってもらって3枚を使いました。が、
使いかけの革ですから、思わぬところが欠けていたりして。
革合わせに半日かかりました。
それを出来上がりサイズにカッターで切ります。これで貼り合わせがビシッと揃うのです。張り合わせも、手こずったのですが多少のしわをカバーしました。
最後に上下に軸棒を縫い込んで、手縫は終了。手縫箇所8箇所、長さにして4.2メートル。桜見物の一週間、夜な夜な革を縫っていたのです。1センチ縫うのに1分、合計7時間ほどかかりました。
さらに全体の様子を見て色を補強し、最後に色止めと艶出しのための仕上げ剤を塗らなければなりません。
ここで事件勃発!
一昨年使って以来一度も使ってなかったのを塗ったところ、
表面が白く乾いてきて拭き取れない!
最大の努力はしました。オイルワックスをたっぷりすり込んで拭き取り、アルコールを染み込ませた布で拭き取り、汚れ落とし用のレザークリーナーで拭き取り、色の落ちたところに色を塗り、文字通り寝食を忘れて修復した結果
写真で白く光って見えるところが、ワックスの取り除けないところです。
空は
だいぶ残っているのですが、雲に見えなくもないか。
ということで、妥協しました。その辺に適当に置いてとりあえず写真を撮って、この後すぐに、松山市へ出発。
もう、本当に情けない。あれを使ったのは自分の判断ミスですからどこにも言って行く所がありません。
わたし、3月でもう一つ歳をとったのですが、その前後1.2ヶ月、ろくなことがなくて
ー
言葉が出てこない、ものが消える、怪我をする
老の坂を転がり落ちると言いますが、わたしは両親、義両親を見ていて、老化は階段を数段飛ばしに降りるようなものだと思っています。徐々にではないんです。いきなり色々なことができなくなる、今がその時なのか?それとも運気が悪すぎるのか? 誕生祝いに娘が予約してくれたリラクゼーションルームは、スタッフさんがいきなり倒れてキャンセルになったし、1ミリ程度のひび割れに引っかかって転ぶし…
これより後にも、判断の甘さや注意力散漫が思わぬ失敗を招いたことがいっぱいあって…現在おでこには切り傷、代車生活。
しばらく行動を自粛しなければ。が、桜の話題はまだまだあるので、もう少し桜巡りの記事を続けますね。
素敵
実物を見たい
たいへんでしたね~お疲れ様でした
あた子さんは大丈夫
こんな大作を仕上げられるんですから
心配ないですよ
私なんかは、もう開き直っていますけどね
励ましの言葉、ありがとうございます。今、少し凹んでいるんですよ。
昔はもっと大きな作品も作っていましたが、だんだん小さくなって、制作時間も短くなって、いつまで続くかなあという感じです。いくつになっても創作意欲の衰えない人ってすごいですよね。
ともあれ、なかなかうまくいかない時期からどう抜け出るか? 歳をとったら無理をしてはいけませんね。
なんて優しい春の風情、皮革で表装をなさるんですね。
いろいろご苦労の末の大作、お見事です!
お誕生月とその裏にあたる半年後は、
あまり運気が良くないと聞いたことがあり、
実際、そうかなとも思います。
わたしは9月生まれなので、あたこさんとちょうど逆、
3月は、体調も悪く、どんよりしていました。
小さなことで厄落としをなさっているので、
ドッカンと大きいのが来ませんから、ご安心を・・・!
桜の御記事を楽しみにしておりますね♥
こんな創作をなさるのですね。明るくて、素敵です。いろいろ難儀なことが続いて、少々へこまれているようなので、これは大変とコメントを残そうと思いつつ、遅くなりました。つまづいたり、ことばがでなかったり、私もあるあるです。私も母が80過ぎるころから、認知症になって、介護が大変だったのですよ。
だから、自分はそうなりたくないから、用心しているんだけどね。
お互い、最後まで元気でピンポンコロリを目指しましょう。変な励ましになって、ごめんなさい。
ありがとうございます。ぴあ野さんも同じ時期に不調の、波が来るんですね。なんか、納得です。
確かに小さなことばかりなんですが積み重なるとあ〜、ってなりますね。ドッカンとこないのは幸いだと思うことにします。
一週間たってぼちぼちいいこともあり出しました。もう抜け出せそうです。
ご心配いただきありがとうございます。一週間経って今日はちょっといいことがありました。いずれアップしますね。
わたしの父も認知症でしたから、あのようになるまいと色々頑張ってきたつもりなのに、急にど忘れがひどくなったり、歩く速度が遅くなったり、注意力が散漫になったり、判断力が鈍ったり、と、重なったのでガックリしてました。
でも、何より心が元気でないとね。お互いに頑張りましょう。