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160211 小津安二郎ー原節子シリーズ第二弾、「麦秋」観る!

2016年02月11日 | 本、映画

昭和を代表する日本が誇る名監督、巨匠と言われているらしい小津安二郎という映画監督、生涯独身でこの作品あたりから原節子と結婚するのではないかと噂されたらしいが1963年60歳で死去。映像は小津タッチというのがあるとのこと。繰り返しのセリフが多かったりカメラの位置がローアングルで固定して撮影、カメラ位置の移動やズーミングがない。

「麦秋」というのは夏の季語。麦が実って黄熟してゆく頃をいうが収穫を迎えた麦そのものをいうのではなくその頃の季節感をあらわした季語。原節子の紀子シリーズ第二弾。昭和26年、私が6歳の頃の封切作品。前回観た「晩春」でも27歳の嫁入り前の娘、紀子役で主演している。

 小津作品はどれも同じようなものばかりという説があるらしいが確かに今回も適齢期をすぎつつある娘の嫁入り話、前作よりも家族構成や人間関係がややいりくんでいるちがいがある。

あらすじをパソコンから引用する。

 北鎌倉に暮らす間宮家は、初老にさしかかった植物学者の周吉とその妻・志げ、長男で都内の病院に勤める医師の康一、康一の妻・史子、康一と史子の幼い息子たち2人、それに長女で会社員の紀子という大家族である。まだ独身の紀子は、親友のアヤから同級生が結婚することになったという話を聞き、紀子の上司・佐竹からも“売れ残り”だと冷やかされる。

春のある日、周吉の兄・茂吉が奈良から上京してきた。茂吉は28歳になっても嫁に行かない紀子を心配する一方、周吉にも引退して奈良へ来いと勧めて帰っていく。同じ頃、佐竹も紀子に縁談を持ち込んできた。商社の常務で四国の旧家の次男となかなか良い相手のようで、紀子もまんざらでもない風である。

縁談は着々と進んでいる様子で、康一の同僚の医師・矢部の耳にもこの話が入ってきた。矢部は戦争で亡くなった間宮家の次男・省二とは高校からの友人だが、妻が一昨年に幼い娘を残して亡くなっており、母親・たみが再婚話を探しているのである。

間宮家では、紀子の縁談の相手が数えで42歳であることがわかり、志げや史子は不満を口にするが、康一は「紀子の年齢では贅沢は言えない」とたしなめる。

やがて、矢部が秋田の病院へ転任することになった。出発の前の夜、矢部家に挨拶に訪れた紀子は、たみから「あなたのような人を息子の嫁に欲しかった」と言われる。それを聞いた紀子は「あたしでよかったら…」と言い、矢部の妻になることを承諾するのだった。間宮家では皆が驚き、佐竹からの縁談のほうがずっといい話ではないかと紀子を問いつめるが、紀子はもう決めたことだと言って譲らず、皆も最後には了解する。

紀子の結婚を機に、周吉夫婦も茂吉の勧めに従って奈良に隠居することにし、間宮家はバラバラになることとなった。初夏、奈良の家では、周吉と志げが豊かに実った麦畑を眺めながら、これまでの人生に想いを巡らせていた。

という筋書き。この作品では戦争で亡くなったとされる次男の省二への思いが長女紀子の心の底にあり結婚相手を矢部にしたのも矢部が省二の友人であったこと伏線としてながれているようだ。

 小津監督がこの作品で何を言いたかったのか。幸せというのは今の足元にあるものであれやこれや求めてゆくものではないということか

 次回は紀子シリーズ、いよいよ3弾目、英国映画協会から世界1と評された「東京物語」を見ることにしよう。

 

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