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徒然残日写真録

160214 英国映画協会が世界1と評した小津安二郎監督、原節子主演の「東京物語」

2016年02月14日 | 趣味と交遊

小津安二郎の世界、紀子シリーズ第三弾の「東京物語」をみる。1953年封切、私が8歳の頃。紀子シリーズ、第一弾「晩春」第二弾「麦秋」につぐ第三弾。尾道に住む老夫婦の5人の子供、戦死した次男の妻役が原節子。老夫婦は東京で仕事をしている長男長女と紀子をたずねて旅にでる。

 

 白黒映画でローアングルのカメラでとる小津安二郎の世界。日本の家族のありよう、親子関係を描く同じようなトーンの映画だが現代の家族模様とほとんど変わらない。子の親殺しの話が会話にも出てくるくらいだから70年前もかわらないということ。所詮子供は独立すればそれぞれの生活で目いっぱいで親のことまで手がまわらない。孫とておおきくなるとジジババからはなれる。

 2時間20分のこの映画も初めて東京にでてきた老夫婦が町医者をしている長男、美容室を経営している長女、そして戦死した次男の妻だった紀子、同郷の友人、さらには国鉄の大阪駅につとめる三男を訪ねる1週間ほどの旅、結局は一番親身になってくれたのは紀子だけだったという話。東京から尾道にかえる途中、年老いた妻が具合がわるくなり大阪に途中下車。子供たち全員にあって尾道に帰った老夫婦だが妻の体調が急変、亡くなってしまう。母危篤の電報で子供たちが急きょ尾道に帰ってくるが葬儀もそこそこに皆帰ってしまう。しばらく残ったのは紀子だけで、尾道で教員をしている二女の京子は兄姉弟を非難する。紀子は所詮子供は皆そうよと京子に話す。残された父親はひとり静かに尾道の海をながめる。

 という筋書きの映画だったが家族関係にセンチメンタルな関係を期待するのは間違いで子供たちが悪いわけでもない。親子相互にはやい乳離れがいるということ。まあどこを評してイギリスの映画協会が世界1だと評価(2012年)したのか定かではないが世界共通の家族のありようを的確に、淡々と描いているのが評価されたのかもしれないね。笠智衆や東山千恵子の淡々とした演技が一層印象付けたのかもね

コメント
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