孫たちが飼っているハムスターを預けにきたついでにお墓参りに連れてゆくことにした。
般若心経を4枚コピーしてでかける。車で2~30分の西日本霊園。10時ごろ着いたがすでに10数台車がとまっていた。
われわれ夫婦は年に春秋のお彼岸、お盆、年末と4回は墓参するが娘やその子供たちは墓参の機会は少ない。墓地には200ほど墓があるが雑草ぼうぼうのほったらかしのようなのが増えてきた。まあ娘があと引き継いで墓を守ってくれるなら良いがどうなるかね。この墓地公園には妻方と自分の家のがあって一度に済ませられるので便利ではあるが・・
孫たちはお遊び気分で雑草をとり、墓に水をかけ、たわしで磨いて嬉々としていたが、花を活けて線香をたいて、座らせて、ここにご先祖さんが眠っているのよ、今晩、1年ぶりに家に帰ってくるのよというと神妙な顔つき。
コピーした般若心経をもたせて私が読経する。5年生の孫娘はお経の意味はともかくなんとなく雰囲気は理解しているような感じ。1年生の孫息子にはむつかしいかもしれないね。お彼岸は日本独自の行事のようだがお盆は「盂蘭盆経」に由来する先祖崇拝の行事。
お盆のいわれは、瀬戸内寂聴さんの痛快仏教塾によると、釈迦の弟子の目連が神通力をつかってなくなった母の姿をみたが地獄の苦しみをしている。生前、人の為になることをしなかったからと釈迦にいわれる。母親の罪を償うにはお前が夏安吾(げあんご)の終わった断食修業後の僧侶たちに布施をしなさいと言われたというのが「盂蘭盆経」に記されている。夏におこなわれる僧の修業である夏安吾のあと、目連は僧たちにたっぷり布施をして母親の地獄を救ったとある。
母親の地獄で受けていた罰を「ウランバナ」といい逆さずりの苦しみという意味。これに漢字をあてはめて、お盆と言われるようになったということだが、お盆は正式には「盂蘭盆会」といい、亡くなった人がどうか極楽浄土に行けますようにと祈願する仏事ということになる
夏安吾が終わるのが旧暦の7月15日、新暦では8月15日となる。盆踊りは帰ってこられたご先祖様に楽しんでもらうために手をあわせながら楽しむ行事。なすとキューリに4本足をさして仏前に備えるのはキューリが馬で早く帰ってきてほしい、なすは牛でゆっくり帰ってもらいたいという意味らしい。
今日はご先祖が道に迷わないように玄関先で迎え火をたき、15日には送り火をたく。昔から行われてきたこんな行事をデジタル時代の孫たちに体験させることが、あらためて日本人の心を取り戻させるために必要なことではあるまいか・・・