武道館で終戦記念日、戦没者慰霊式典がおこなわれた。
式がすすみ、司会者が天皇、皇后両陛下退席と言われたにもかかわらず、天皇陛下はじっと祭壇をながめられ動こうとされなかった。戦後72年、ずっと戦中戦後を見てこられて感慨ひとしおというか忸怩たる思いもあられたのかもしれない。
戦後世代が人口の82%に達し、65歳以上の高齢者3459万人でみてもその3分の1が戦争未体験。日本が先の大戦で米英中ソなど連合国に負けて、310万人近くが戦陣や戦火でなくなり、国土は一面焼け野原となってしまった。私は生まれて3か月、よく生きていたものだし、それから小学生になるまでどんな生活ぶりであったのかまったく記憶がない。親の苦労はいかばかりか計り知れない。
神国ニッポンが負けるはずはないと骨の髄まで叩き込まれていた一般国民は虚脱状態に落ちいったに違いない。今、80歳前後のヒトで満州など外地にいた人は一転、支配民から非支配民におちいり難民となり引き揚げ船にのれるかどうかわからず、全く国から見放された。この敗戦日にどこにいたかによって戦後の生きざまは180度違ったに相違ない。終戦記念日というと勝ったのか負けたのかわからない。1937年、日中戦争あたりからのかじ取りいかんでは日本は優秀国家として存続できた可能性大、どこで何を間違えたのか、しっかり敗戦に至った要因を分析しておかないと、ふたたび過ちを犯しかねない。
かけがえのない平和日本を維持継続させるためにどうあらねばならないのか、あらためて日本人は考えるべき時だろう。近世、近代史教育を子供、若者たちにもっとしっかり教育すべきと思う。