ゴールデン・リタイアーズ

S20年生、後期高齢ゾーン、人生最終コーナー「遊行期」の
徒然残日写真録

180530 九博、至上の印象派展、ビュールレコレクション、特別観覧!半数、本邦初公開!1億円以上の絵画とは?!

2018年05月30日 | ボランティア

 ビュウルレコレクションて何?スイスの大富豪ビュールレが生涯をかけて何百億円という巨額のマネーと労力を費やして集めた600点をこす印象派を中心とした個人の絵画コレクション。3人の子供たちが200点ずつ引き継いだとか。そのうちチューリヒ美術館所蔵の作品64点が東京、福岡、名古屋で順次展覧会。東京では30万人を動員したらしい。半数以上が本邦初公開、チュウリッヒでみた日本人以外の日本人は誰も見ていない作品。きわめて一見の価値がある美術展ということ。

写真撮影が2点認められている。そのうちの1点がルノワールの「可愛いイレーヌ」1880年作。

2点目がモネの「睡蓮の池」2m×4mの大作。1920年の作。

このコレクション秘話。

2008年2月10日、ビュールレ・コレクションから絵画が武装強盗団によって盗まれるという大事件が発生。盗まれた絵画は4点。

『赤いチョッキの少年』(1894/1895) ポール・セザンヌ
『ルピック伯爵と娘たち』(1871) エドガー・ドガ
『ヴェトゥイユ近辺のひなげし』 (1879) クロード・モネ
『花咲くマロニエの枝』(1890) フィンセント・ファン・ゴッホ

なんと1億8000万スイスフラン日本円にして約175億円。これらの盗まれた絵画のうち、

ヴェトゥイユ近辺のひなげし』と『花咲くマロニエの枝』は同じ2008年の2月18日にチューリッヒ市内の駐車場で発見され、赤いチョッキの少年』は2012年4月12日に、強奪に関与した容疑者を逮捕した際に発見された。そして、残る一枚、エドガー・ドガの『ルピック伯爵と娘たち』は、未だ行方不明のまま。花咲く・・と赤いチョッキの2点が出品。

モネの睡蓮の絵は200点ほどありあまり売れなかったらしいがビュールレのコレクションのおかげで価値が上がったらしい。ビュールレのように一貫したポリシーを持ったコレクターによって絵の価値が見直され増幅されるようだ。

 ところで印象派の絵というのはクロード・モネの描いた「印象・日の出」という絵を旧来の芸術アカデミーに酷評され、爾来印象派というジャンルができたらしい。

 印象派の絵画の特徴は、小さく薄い場合であっても目に見える筆のストローク、戸外での制作、空間と時間による光の質の変化の正確な描写、描く対象の日常性、人間の知覚や体験に欠かせない要素としての動きの包摂、斬新な描画アングル、などがあげられており旧来の王朝芸術とは一線を画するもので会ったらしい。

 印象派は登場当初、この時代には王侯貴族に代わって芸術家たちのパトロン役になっていた国家、芸術アカデミーにも評価されず、印象派展も人気がなく絵も売れなかったが、次第に金融家、百貨店主、銀行家、医者、歌手などに市場が広がり、さらにはアメリカ市場に販路が開けたことで大衆に受け入れられていった。絵画における印象派の発展によって、他の芸術分野でもこれを模倣する様式が生まれ、印象主義音楽や文学などして知られるようになったということ。

 特別観覧会ということで九博の講師からレクチャーをうけ、200人ばかりがぞろぞろ見学。館長が自分の家に飾るならどれを選ぶかという視点でみたら面白いですよとアドバイス。

 まあ冒頭の「かわいいイレーヌ」あたりは大きさ的にちょうどよいのかもしれない。しかし実際見てみるとモデルは銀行家の8歳の娘らしいがふさふさした金髪やかわいい手は印象派的筆のストロークだが色白の顔や肌は旧来手法で美しく描き分けられており、その可憐さに目を奪われる感じがするね。九博では7月16日までの会期だがすでに3万人近い好調の出足のようだ。妻にも早く見に行くようにすすめよう!!

 ルノワール、モネ、ドガ、マネ、セザンヌ、ゴッホ、ピカソなどよう知られた名前だが一体絵の価値は何で決まるのかね。要するに億万長者のコレクターがいるから需給の関係ですごい値がついてしまうのだろうね。・・・MLBの日本選手も同じか?!

 

コメント
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