2016年10月1日から公開された旧三井家下鴨別邸、11月19日~12月4日には特別に公開されていたので、見に行ってきました。

通常の公開では1階とお庭だけですが、特別公開期間には3階とその上の望楼まで上がることができるので、この期間は大勢の人が来ていて、行列ができる盛況でした。
先ず門に入るまでに行列して20分程待ち、受付を通ってから庭に設定されたテントの椅子で待って、お家の中に入ってからも玄関で待ち、1階の部屋で待ち、2階の部屋で椅子に座って待ち、そしてやっと望楼に上ることができました。望楼の中は狭いので、10名ずつしか上ることができないのです。

建物は下鴨神社の南側、一の鳥居のすぐ横、京都家庭裁判所の南にあります。この地には1909(明治42)年に三井家の祖霊社が遷座され、その参拝の際の休憩所とするため、1925(大正14)年に建築されたのが現在の旧邸で、元は木屋町三条上るにあった三井家の明治期の別邸が主屋として移築されました。
1949(昭和24)年には国に譲渡され、1951年以降京都家庭裁判所の所長宿舎として2007年まで使用されていました。2011年に重要文化財に指定されています。

望楼からの眺めは大文字山をはじめ、東山連峰を眺望することができますが、その前に高い建物もぼつぼつ建てられてきているので、一部眺めを遮られるところもありました。

辺りに生えているニレ科の大木は糺の森の原始から残る木がそのまま残されていて、このすぐ北側に作られているマンション敷地では次々と切り倒されているのは残念至極です。


2階から見下ろしたひょうたん池です。泉川の水を引き入れています。
別棟の茶室は非公開でしたが、1868(慶応8)年の建築だということがわかっています。
原在正(はら ざいせい)筆の孔雀牡丹図杉戸絵や、朝ドラ「あさが来た」の主人公、三井家のお嬢さん関連の展示もありました。
この特別公開の期間にはものすごくたくさんの人が押し寄せたので、建物にとってはさぞやダメージだったことだろうと思われます。次回の特別公開は未定だそうですが、通常の公開は水曜日と年末の休館日以外はずっと行われているので、見学することができます。1月1日~3日はお正月のおもてなしもあるそうです。