2019年11月8日、南禅寺参道の風致地区に、明治からの庭園別荘地の景観を壊してホテルが建てられようとしているというので、現地を見に行ってきました。
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仁王門通り東大路から東に行くと、京都市動物園の向かい側、琵琶湖疏水を挟んで南側に、元料亭「ギンモンド」があった跡に、東京資本のヒューリックが4階建てのホテルを建てようとしていて、すでに周りが工事用の塀で囲まれていました。
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東側は小道を挟んで、山形有朋の別荘「無鄰菴」に接しています。
無鄰菴の庭園から母屋の方を見ると、二階建ての和風の屋根の上にホテルの洋風の建物が聳えているのが見えて、無鄰菴の景観は台無しになってしまいます。ヒューリックは無鄰菴に面した側には大きな木を植えて目隠しにすると言っていますが、木は枯れたり、変形したり、光は透して目隠しにはなりません。
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南側すぐ裏には料亭「瓢亭」があります。瓢亭の裏側のホテル建設現場には大きなクレーンが立っていて、異様な光景です。瓢亭は400年以上経った建物と苔むした庭園が微妙な光と風のバランスの中に独特の風情を醸し出しているところです。すぐ隣にホテルの光や熱や騒音が当たってきては、その趣はたちまち壊されてしまうことになります。
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南側の民家の側にも出入口が付けられると南禅寺参道の静かな雰囲気はなくなってしまいます。
元々、ホテル予定地の土地は、琵琶湖疏水を作った時に掘り上げた土を盛ったので、周りの土地よりも約2メートルも高くなっており、無鄰菴、瓢亭、民家、隣のマンションとの間は擁壁で囲まれているのですが、工事に当たって、しっかりとした擁壁保護工事が行われていないので、とても危険な状態になりそうです。
岡崎南禅寺別荘群の景勝の地に、似つかわしくない高い建物が建てられようとしているのに、京都市は景観と環境を守ろうとせず、さっさと許可してしまうとは、観光を売り物にしていながら、自ら景観を破壊しているのは信じられない姿勢です。
せめて、建物の高さを3階以下にして、付近の景観に合わせた和風の建物に変えさせるなどの指導と規制をすることが必要です。