端から端までぎっしり埋まったアリーナ席を見渡すと,年代的にはロック・コンサートなのか,はたまた「川中美幸ショウ(行ったことはありませんが…)」なのか,判然としない客層だった。エリック・クラプトンが既に札幌ドームで単独ライブをやったことがある影響なのか,取り立ててファンという訳ではなくともビッグ・ネームなので取り敢えず観ておこう,と思ったかもしれない若い人の数は,非常に少なかった。
そんな日本の縮図とも言える高齢化アリーナ席の前半分は開演と同時に立ち上がり,年齢を感じさせないエネルギッシュな拍手で,主役2人を含む7人編制のバンドを迎えたのだった。
「ブラインド・フェイス」の再編と話題になった二人の共演盤「Live From Madison Square Garden 」の再演となる日本ライブ。そのスタートは,記録的に遅い初雪に凍える札幌からだった。
ライブ盤と同様に「Had To Cry Today」で始まり,最後はお約束の「Cocaine」の合唱で締めるライブはアンコールを含んで19曲(か20曲くらい),技術的な高さは折り紙付きの二人だけに,メリハリの利いた演奏と思いのほか高音域も伸びていたウィンウッドの声を楽しむことが出来た。
演目はライブ盤から予想されたとおり,ブラインド・フェイスの曲を中心に,スタンダード,デレク&ドミノス,そしてトラフィックの曲。磨き上げられたブルーズばかりが綺羅星のごとく並べられる中,ライブ盤ではメドレーで取り上げられていたジミ・ヘンドリックスのナンバーは「Little Wing」ではなく「Voodoo Chile」が演奏された。ジミが生きていたら,クラプトンの音楽のエッジも少し変わっていたかもしれないと思わせるような空気が,ソロの音の中に混じっていたのが印象的だった。
総じて予定調和の安定感に身を委ねる2時間強だったが,予想もしなかったウィンウッドのソロ,「While You See A Chance」のイントロが聞こえてきた瞬間だけは,鳥肌が立った。あの曲が聴けただけでも,1日の仕事の疲労を撥ね除け,加齢臭漂う満員の地下鉄に揺られて,大枚叩いてきたえーるに辿り着いた甲斐があったというものだった。
ステージから降りる時,腰をさすっていたクラプトンを,優しく抱き留めていた,少し太ったウィンウッド。ありがとう,おじさんたち。
そんな日本の縮図とも言える高齢化アリーナ席の前半分は開演と同時に立ち上がり,年齢を感じさせないエネルギッシュな拍手で,主役2人を含む7人編制のバンドを迎えたのだった。
「ブラインド・フェイス」の再編と話題になった二人の共演盤「Live From Madison Square Garden 」の再演となる日本ライブ。そのスタートは,記録的に遅い初雪に凍える札幌からだった。
ライブ盤と同様に「Had To Cry Today」で始まり,最後はお約束の「Cocaine」の合唱で締めるライブはアンコールを含んで19曲(か20曲くらい),技術的な高さは折り紙付きの二人だけに,メリハリの利いた演奏と思いのほか高音域も伸びていたウィンウッドの声を楽しむことが出来た。
演目はライブ盤から予想されたとおり,ブラインド・フェイスの曲を中心に,スタンダード,デレク&ドミノス,そしてトラフィックの曲。磨き上げられたブルーズばかりが綺羅星のごとく並べられる中,ライブ盤ではメドレーで取り上げられていたジミ・ヘンドリックスのナンバーは「Little Wing」ではなく「Voodoo Chile」が演奏された。ジミが生きていたら,クラプトンの音楽のエッジも少し変わっていたかもしれないと思わせるような空気が,ソロの音の中に混じっていたのが印象的だった。
総じて予定調和の安定感に身を委ねる2時間強だったが,予想もしなかったウィンウッドのソロ,「While You See A Chance」のイントロが聞こえてきた瞬間だけは,鳥肌が立った。あの曲が聴けただけでも,1日の仕事の疲労を撥ね除け,加齢臭漂う満員の地下鉄に揺られて,大枚叩いてきたえーるに辿り着いた甲斐があったというものだった。
ステージから降りる時,腰をさすっていたクラプトンを,優しく抱き留めていた,少し太ったウィンウッド。ありがとう,おじさんたち。