
(実際は33年前の土だけど…甲子園のには違いないからね)
私の娘もマネージャーとして、目指すはただ一つだったね。
ここに野球部の写真集があるよ。
君もみんなも一番輝いていた頃。
おっちゃんは、はちきれんばかりの君たちの若さに惹かれてた。
なぜか、スタンドで応援するおっちゃんがカメラ目線だったり…。


控えの外野手14番だったんだね。
でもね、練習試合のときかなんか、ライト線深く上がったフライを取って
サードまで矢のような返球をしたのは、なぜかよく覚えてるよ。
イチローも真っ青の、素晴らしい肩だなあと感心したことを、君のお父さ
んにお話したことも、昨日のことのよう。
お父さん、すごく喜ばれて、帰ってお話してくれたでしょう?


を、こんなおっちゃんだから、なかなか理解できないのです。
お父さんやお母さん、お姉さんたち、弟さんと…おっちゃん、まともに見れ
なかった。
わんわん泣きたかったけど、君の笑顔の写真の前で、そうもいかなかった。


コーチャーとか、もちろん、ピンチヒッターも、先発の外野手だったことも
当然あっただろうね。


その中でも君が1,2を争う優しさだったんじゃないかなあ。
みんなが君のあのちょっとはにかんだような、あの笑顔に救われたんだ。


なければ、ベンチに入れなかったのを、君たちはマネージャーとの約束だ
って頑張って、娘もベンチ入りさせてくれたね。
3回戦で惜しくも敗れたけど、悔いのない、ひたむきの青春だった。
君も本当によく頑張ったもんな。


娘は帰省して、君たちと酒を酌み交わす?のが一番の楽しみだったもの。
年末の後輩たちとの練習試合が最後になってしまったんだろうか。


企業研修したときに、あいだの休日にあのちゃっかり娘と東京見物を付き
合ってくれたんだってね。
高いとこイヤなのに、東京タワーに昇ったって、娘から君の笑顔の写メー
ルが送られて来たよ。
あのときは、本当にありがとう。
娘も忘れられない思い出になったことだろうし、君も覚えているよね。


桜も吹雪になって散って行くし…なんでこんな季節に。


そして、紫匂う大空を力強く羽ばたいて行ったんだね。


13日に君と直接お別れをさせていただいた娘は、就職活動の関係で
14日のお通夜も15日のお葬式も出席できなかったけど、ごめんね。
おっちゃんが代理で、娘の分まで心の底から手を合わせました。



いただいたそうです。
第一志望の企業だから、そこに行くって。
娘をしっかり押してくれたんだね、ありがとう、ありがとう、ありがとう







