折節の移り変わるこそ

季節の移ろいの中に、感じたままを一日一日。

くれなゐの

2008年12月08日 21時07分48秒 | 大雪
          □ 春のバラの芽ではなくて、昨日7日の様子。
            ノック・アウト(Knock Out/F/1999)蕾が、左向こうに。

◇ 真冬の冷たさを感じる一日、よく晴れた明け方の気温0℃、日中も8℃まで。
  次第に曇って、お昼前から十二月の冷たい雨、余計に寒さが増した。
  知り合いの方が、私の好きな短歌を色紙にしたためて下さった。
  書の嗜みは、私の憧れの遥かな向こう、温かな筆が音もなく流れて、静か。

     


(una poesia di oggi)

   くれなゐの二尺のびたるばらの芽の針やはらかに春雨の降る
 
                                    正岡子規

     『竹の里歌』(明37)所収。作者は明治35年9月19日に没した。
     右(↑)はその二年半前の作。子規は「歌よみに与ふる書」で
     世間を驚かせた明治31年以降、特に短歌に熱中したが、短歌
     への関心はずっと前からあった。 短い晩年のうち、31年と33年
     が歌は時に豊富活発だが、右は33年春の作。「庭前即景」と題
     する。菜の花、鶸(ひわ)、四十雀(しじゅうから)、鳶(とび)と、
     病床から見えるものは何でも歌になった。
 
                  大岡信著「新折々の歌5」(岩波新書)より



コメント (2)
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