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シン・リジィ「アリバイ」

2014年01月19日 | 音楽
ギター名曲シリーズ
第3弾はアイルランドの英雄、シン・リジィから「アリバイ」だ。

アーティスト:シン・リジィ
ギタリスト:スコット・ゴーハム、ゲイリー・ムーア
アルバム:ブラックローズ
発表:1979年



シン・リジィには名曲が多いが、数ある代表曲の中から彼ららしさでいえば「アリバイ」は必ず候補にあがると思う。
ツインギターによるハーモニー、フィル・ライノットの字余りの歌詞、つぶやくような歌メロ、縦ノリなAメロに対し、キャッチーでポップなサビなど、シン・リジィ以外の何者でもない個性が光る。

まずイントロだ。
フィルのはねるようなベースのあと、いきなりツインギターのハーモニーが始まる。
主旋律を弾くゲイリー・ムーアに対し、低音部を弾くスコット・ゴーハムだが、ここは5度のハーモニーだ。
ここをわかりやすく書いてみよう。
主旋律「ドシラ~、ラーララシラーソ~」に対し、「ミレド~、ドードドレドーラ~」と弾く。
もしこれを一般的な3度ハーモニー「ソファミ~、ミーミミファミーレ~」と弾くとどうなるか?
「ファ」の部分でマイナー感が出てしまい、なんとなく女々しく聴こえるようになる。
ここはあえて5度のハーモニーにすることでドライな雰囲気を演出しているのだ。

中間部のギターソロはスコット、そのあと重なってくるトリルのハーモニーだが、最初はユニゾン(同音)、後半からゲイリーが3度上を弾いている。
サビに戻ってからだが、サビの後半部はコーラスの部分をツインギターで弾く、ここはオクターブユニゾン。
エンディングソロは、3度のハーモニーで曲を盛り上げる。
この辺の感覚はいかにもシン・リジィな感じで、フィルのベースラインもカッコイイ。
最後イントロに戻るが、いきなり空気が変わったように感じるのは、ハーモニーが5度になるからだ。

世にツインリードギターのバンドは数多いが、単にリードギタリストが2人いるだけのところも多い。
シン・リジィの場合、個々のギターソロよりもツインハーモニーのほうが目立つように曲が作られ、一番のポイントになるようになっている。
そのハーモニー一つとっても、この「アリバイ」のように様々な工夫が凝らされ、唯一無二の個性を出しているのだ。

THIN LIZZY-Waiting for an alibi

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