Music Mania

No Music No Life

ジェフ・ベックのファンではないけれど

2023年01月19日 | 音楽
ジェフ・ベックが亡くなった。
ご冥福をお祈りします。

僕はジェフ・ベックのファンではないけれど、彼のアルバムはだいたい聴いている。
とくにフラッシュまでの作品はハズレがない。
3枚選ぶとすれば、「ベック・オラ」「ジェフ・ベック・グループ」「ブロウ・バイ・ブロウ」になるだろう。
ブルースロック、ソウル、フュージョンと3枚それぞれ全くカラーが異なるのがすごいが、それだけ彼の音楽性の広さがよくわかる。
そして、どのアルバムでのプレイもエモーショナルな彼の個性が発揮されていて、毎回名だたる凄腕ミュージシャンをバックにしながら、堂々たるプレイを聴かせてくれた。

僕はジェフ・ベックのように弾きたいと思ったことは一瞬たりとも無いが、彼は自分のスタイルを確立していて、それは常に進化していた。
表現の幅を広げるためにピックを捨てて指弾きに転じたのもそうだし、トーキングモジュレーターを使ったのもそうだ。
そしてデジタル化にも対応し、時には前衛的とも言える斬新な音楽にもチャレンジしていた。
昨年のジョニー・デップとの共演アルバムでは、再び従来のロックサウンドに帰ってきたようなプレイも聴くことが出来た。

YouTubeなどでジェフ・ベックの映像を見ることはほとんどないが、ライブは行ったことがある。
ボーカリストのいないインストロックだったが、それはそれは素晴らしいものだった。
実際それを目の当たりにすると、もはやボーカリストは不要で、ジェフのギターの存在感が際立っていた。
非常にシンプルなバンド編成でありながら、いやそうであったからこそ、ジェフのギターがより一層際立っていて聞き応え満点なライブだった。

僕のギタープレイの中にジェフ・ベックの影響は1ミリもないけど、何曲かコピーしたことはある。
前バンドでは練習の合間に「スキャッターブレイン」や「レッドブーツ」をセッションしたこともあった。
最近では、昨年夏に「悲しみの恋人たち」をコピーした(中間ソロのみ)。
歌うように弾く、というのがよくわかり、だけどジェフの表現力の足元にも及ばない。
チョーキングの速さやビッチ、ビブラートの幅など、人間味あふれる絶妙なさじ加減でそれらを駆使し、ここまでボーカリストのように弾けるのはジェフしかいない。

僕はジェフ・ベックを決してギターの神様のようには崇拝しないけれど、今後も彼の出した曲は聴き続けるだろうし、コピーもしていくだろう。