風・感じるままに

身の回りの出来事と生いたちを綴っています。

気になる歌

2013-06-12 | 趣味
「鴎も飛ばない海だよ」(作詞:麻こよみ 作曲:徳久広司)という歌があります。
2003年8月に EMIミュージック・ジャパンから発売され、日系アルゼンチン人2世歌手の大城バネサが歌っています。

詩の中に「北のはずれの漁師町 今は荒れ果て住む人もなく」「置き去り船が赤錆びさらして横たわる」「海を捨てて家を捨ててふるさと捨てて」「総出の大漁 みんなみんな夢の中」などが出てきます。

聴いていてすぐに脳裏に浮かんできたのは、東日本大震災後の被災地の映像です。特に、福島第一原発事故で人が住めなくなり、すべての住民が出て行ってしまって、後に残された荒れ果てた漁村の姿がです。

この歌が作られたのは今から10年前です。当然のことですが、3.11のようなことが起きるとは誰も考えなかった時にです。
過疎がすすむ漁村の情景とそこで暮らす人たちの心情を歌ったものであろうが、どうしても被災地の状況が重なってしまいます。
あれから2年3か月、未だに約30万4千人の人たちが故郷に戻れない状態にあります。

そんなことで、この歌を唄うことに少し戸惑いを感じてしまうのですが、唄うことにしました。震災で亡くなった方への鎮魂の思いと、被災地への〝がんばれ〟の気持ちを込めて…。

大城バネサ「鴎も飛ばない海だよ」

※歌詞はここから:http://www.uta-net.com/user/phplib/Link.php?ID=17889

生い立ちの景色(39) 初めての給料

2013-06-10 | 生い立ちの景色
1961年3月。15歳の春。
入社後の導入訓練が終わり一人一人の配属先が決まった。
高卒の者は品質管理など製造のスタッフ部門へ、大卒は設計や開発などの技術部門に、俺ら中卒者は製造現場へ配属された。
俺は製造ラインの「完成」工程というテレビセット組み立ての最終工程に配属され、製品になったテレビセットを段ボール箱に梱包する作業をすることになった。ここに配属された新入社員の最初の仕事は、これに決まっているようだった。

組立てた段ボール箱の底にガムテープを貼って、テレビの底と上に入れる段ボールとともに梱包作業者のところに送り込むのだ。
1ラインの日産台数は500台で、1台当り50秒くらいの流れ作業だった。梱包作業をする先輩社員らが仕事がしやすいように積み上げて、途切れることがないように送らなければならない。最初はちょっとバタバタしたが、一週間ほどで、だいたいの要領がわかった。

ただ、底板と天板は肩に担いで運んでこなければならない。それには、そこそこの力とコツが要った。持ちにくく、ヘタすると持ちすぎて落としてしまうこともあった。
オレは百姓の子だったから、担ぐことは慣れていたので、どーってことはなかったが、隣のラインに配属されたKは、町んど育ちで経験がないもんやから苦労しとった。まだ、4月だというのに汗だくになっとた。

実は、俺ら新入社員は3か月間は本当の社員ではなく、試用期間みたいなものだった。この間に、欠勤が多かったり、仕事ができなっかたり、何か悪いことをすると本採用が取り消しになるのだ。ということで、この間の月給は6600円だった。本採用になると、月給は7300円になり労働組合員にもなるということだった。

今日、3月25日は初めての給料日。今月は入社日から締切り日の20日までの4日分だから千円ちょっとだった。
この日はちょっとだけラインが早く停まった。夕会の後に一人一人の名前が呼ばれて給料を渡された。一番最後だったオレは、大きな声で返事をして、きっちりお辞儀をして両手で受け取った。

生れて初めての給料だ。封を切らずに持ち帰って、おふくろに渡した。おふくろは、じっと給料袋を見て少し嬉しそうな顔をして「ごくろんさん」といった。俺も嬉しかった。

本音?

2013-06-09 | 日常

こんな酒造会社の広告(新聞の写真)を載せてすみません。
断っておきますが、この会社の商品の宣伝を手伝うつもりでやったんではないですよ。
FB(フェイスブック)でちょっと話題?になっていて、わたしのFBにもシェア(貼付け)したものです。

それにしても、憲法論議が盛んな昨今に、こんな広告を思いついた方(社長か広告担当者か)の発想力と言おうか、頭の柔軟さ(じゃなく、硬さ?)に〝じぇ、じぇ、じぇ〟です。

「酒を酌み交わしニッポンを語ってみる そんな刻(じかん)、時には・・・いいかも」って、なんと洒落た言い方なんだろう。酒を飲まなくても、この言葉に酔いそうだよ。

ヨーロッパでは日常的にバーなど、酒場で知らないお客どうしが自分の政治的な主張を述べ合い、それを肴に酒を酌み交わすのは当たり前だと聞く。
それに比べて、日本の酒場(居酒屋やスナックなど)での政治論議はどうか。知っている者どうしが部屋の中で政治の話をすることがあっても、居酒屋やスナックなどは、知らない客が集まる場所での「政治話はタブー」ということになっている。少し酔っても、そこのところの自己規制は忘れないお客が多いようだ。

「お上に楯突くようなことを、大きな声で言ってはならない」という、「専制支配」時代の意識構造が未だに生きているのではないだろうかとさえ思ってしまう。難しい言い方をすれば、日本の民主主義の「未成熟」とか「後進性」ということになるのかも。

話しがえらく難しくなってきてすみません。
要するに、このキャッチフレーズをわたし流に解釈すれば〝酒を飲めば本音が出るでしょう。今のニッポンを本音で語り合う必要があるのではないですか〟と言いたかったのがこの会社の本音だと思います。
もちろん、これを「宣伝効果をねらっただけや」という人もおられます。どちらが本当かはわかりません。

ただ、アベノミクスのこと、原発のこと、橋下暴言のこと、憲法のことなど、今のニッポンには我々が本音で語り合わなければならないことが多くあります。
酒を飲んでも、飲まなくても、ジュースでもいいですが〝本音の語り合い〟で、7月の参院選では〝本音の選択〟をしましょう。

暑くなりまして…

2013-06-08 | わんちゃん

ここ関西地方は連日最高気温が30度を超して夏日がつづいています。
まだ冷房を入れるほどではないのですが、この暑さでちょっと困っていることがあるのです。
私のことでなく、うちのワンちゃんユキのことで。

来月で14歳になる老犬ユキですが、こんなに暑くなっても朝寝坊なんです。他の家のワンちゃんは、陽が昇る前に散歩は済ませているそうですが、ユキは放っておくと何時まででも寝ているのです。
冬はいいのですが、今は7時にもなると太陽がギンギラなのに。

ここ2週間前くらい前からは〝もっと寝かせてー〟という感じのユキですが、7時半には無理に起こして散歩に行っているのです。ほんとはもう一時間ほど早く行きたいのです。
ワンちゃんも歳を取ると睡眠時間が増えるそうですが、ユキの睡眠はは、一日20時間を超えるかも。

すでに、2年位前から白内障が進行して、今では両眼とも白く濁って、たぶんほとんど見えないのだと思います。家の中ではそろそろと歩いていますが、ちょっとかわいそうです。散歩も近くを少し歩くだけになりました。

14歳といえば、たぶんおっちゃんの歳を追い越しているのかな。
いろいろと手もお金もかかりますが、もう少しは互いに癒し癒されの暮らしをたいと思います。
ただ、もう少し早く起きてほしいなあ。

「所得150万円増やす」の中味は?

2013-06-07 | 社会
新聞やテレビは、安倍内閣の「成長戦略」で打ち出された「1人当たりの国民総所得(GNI)を10年間で150万円増やす」を大きく報道している。
これを聞いた多くの国民は「一人一人の(年間)所得が今より150万円増えるのか」と思ってしまう。

でも、これはちょっと違う。
GNIとは、国民や企業が1年間に国内や海外でつくり出した不可価値(儲け)の総額を示し、これを人口で割ったもの。よって、GNIが増えたから、われわれ国民一人一人の所得も増えるのかというと必ずしもそうではない。
かって、小泉内閣の5年間では、GNIが18万円増えたが、賃金は15万円減ったこともある。結局、GNIが増えても、企業が儲けをため込んでしまえば、給料は上がらないのです。

今、安倍政権がすすめる「アベノミクス」なる政策は、国民の所得を増やす中身より、解雇自由化、社会保障大改悪と消費税大増税という、所得を奪う「毒矢」ばかり。参院選を前に、支持率をあげることを狙った安倍「戦略」に騙されてはならない。

来月に迫った参院選では、「アメリカいいなり」「財界中心」「歴史逆行」ー3つのゆがみを持つ古い自民党政治に厳しい審判を下さなければならない。