図書館から借りた『アマゾン・ドット・コムの光と影』を読了。
著者が実際にAmazonの倉庫でのアルバイトを経験したレポートです。
Amazonの倉庫内の実態、日本で成功した理由など、読んでみて非常に興味の持てる内容でした。
本書を読んでいたら、10年以上前にコンビニのデザート工場でアルバイトをしていた時のことを思い出しました。
1年制の専門学校を卒業して様々なアルバイトの求人へ応募しましたが、ことごとく不採用。そしてやっと採用されたのがその工場でした。
仕事はかなり重労働。きつい割には時給は750円でしかも交通費はバス代のみ。昇給はやる気次第と聞きましたが、実際はないそうで。1日で辞めていった人も多かったです。
一緒に働いていたパートの人から「どうしてこんなところに来たのか」といったようなことを言われました。でもそこしか働き口が見つからなかったのです。
ある日、商品に貼られていた消費期限記載のシールを新しいシールに替えてほしいと指示がでました。これは明らかに製造月日をごまかしている行為。しかし私たちはただ従うしかありませんでした。
1年強働いた後、そのアルバイトを辞めました。事務所の人に辞めることを伝えると、彼は「な~んだ、また1人辞めるのか」という表情をしていました。辞める人が出てきても代わりの人なんてどこにでもいる、また求人広告を出せばいいと思っていたのでしょう。まさにアルバイトの使い捨てです。
工場のアルバイトを辞めた後、運よく1週間後には別の職場(事務職)で働くことが出来ました。もし工場でのアルバイトをそのまま続けていたら、ずっと工場でのきつい仕事にしか就けなかったかもしれません。
別に工場で働いている人を差別しているわけではありません。彼らだってきちんとした人間ですし、彼らがいなかったら私たちの生活は成り立ちません。それに正社員並みに一生懸命働いているアルバイトだって多いのも事実。雇用側はもっとアルバイトを尊重すべきだと思います。
Amazonで注文した商品は早くて2日後(非プライム会員の場合)には届きます。しかもミスもなくきちんとした梱包で。その裏には厳しいノルマを課せられたアルバイトのいるおかげですね。商品が届くたびに本書を思い出すでしょう。
何だか今回の記事は本の感想よりも、自分のアルバイト経験談になってしまいました。それだけ工場のアルバイトとAmazonの倉庫と重なる部分が多かったわけです。
アマゾン・ドット・コムの光と影 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2005-04-19 |