先日、「永遠の0」を読んだ感想を書いた。
主人公のその人を思いやる気持ちに涙が出てしょうがなかったのだ。
ただ、もう一つ泣けたことがある。
2006年12月25日に鹿島に取材に出かけた。
鹿島の桜花公園にある掩体壕(えんたいごう)。
ところが、そこで撮った写真を使う気持ちになれなかった。
戦争遺跡については、どれだけ知っているとか、どんだけ知識があるとかが大切だとは思わないからだ。
まして、特攻の意味をしっかりと知らない状態では文を書いてはいけないと思っていた。
自分は物書きではない。
ただでさえ、稚拙な文章が誤解を招くことを恐れているからだ。
さて、もう一つ泣けたことは、この一言である。
「バカボム」
桜花という特攻兵器が存在した。日本の兵器である。
それは、機連合国側からは日本語の「馬鹿」にちなんだBAKA BOMB(単にBAKAとも)、すなわち「馬鹿爆弾」なるコードネームで呼ばれていたのだ。
戦争時のことだから様々な理由はあるだろう。
大戦末期の苦肉の策としか思えない「BAKA」も考えた末のことだったもしれない。
戦争はいけない。
しかし、あの戦争をなぜしなくてはならなかったのかを検証する場を日本人として全員が持たなくてはいけないだろう。
細かいことは誤解があるので述べることを避けよう。
ただ、一つしかない命をこういう形で失うことはあってはならないはずだ。
桜花
人を思いやる気持ちに泣け、その逆、人を人とも思わない作戦に泣けた。