夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

愛(いと)しき光と風、そして波打ち寄せる『新島』  ~最終章~

2009-05-13 18:10:35 | 
       最終章 光と風、そして打ち寄せる波

私は新島の南部の特例のクルージングを終え、黒根港で下船した時、
乗船させて下さった船を眺めたりしていた・・。

澄み切った快晴の中、蒼い海原の波間を眺め、潮の香りと匂いを感じ、そして海風を受けながら、
愛(いと)おしいような島々の情景に心を寄せたり、
真っ白に彩(いろど)られた断層が果てしないように続く白ママ断層の光景に見惚(みと)れていたひとときに、
思いを馳せたりし、改めて深く心に残っていたことに気付かされたりした。


この後、昼食の前の2時間を私達夫婦は、付近を散策した。
新島港の前から少し南に歩き出すと、
岩山の上に神殿のような円柱がそびえいる『湯の浜露天温泉』に少し驚いたりしたが、
昨今流行(はやり)の水着着用なので、私は苦笑したりした。

私は少なくとも日本男児のひとりであるので、
素肌で大浴場、露天風呂に入浴するように、厳しく育てられたので、
こればかりは水着着用などと柔な精神に反するので、断念したのである。

この後、『湯の浜露天温泉』の足湯の傍にたたずんでいると、
脱衣場から石段をあがると露天風呂らしく、
若き奥様がビキニの水着の容姿で、三歳ぐらいの男の子を連れていた。
男の子も可愛い水着のパンズ姿には微笑んだりしたが、
やはり若き奥様のビキニの水着姿は、私は齢を重ねてもまぶしすぎるのであった。

そして南へ道路に面した歩道を少し歩くと、
岩山が観えたので、道路の脇の石段を下りると、砂浜が少し続き、
海岸の水際に近づくと小岩の状景となり、水際には大きな岩があり、
岩間の間から波が打ち寄せていた。
私はこの一帯に大きな露天風呂にすれば、素晴らしい光景になる、
と余計なことを思ったりした。


この後、港に戻り途中、コーガ石の高い塔が観え、
そばを通り過ぎる時、バーベキューが出来る施設があった。

そして私は石段を下りる時、草花が生い茂る中に、
『光と』 『風と』 『波』 『の』 『塔』
と五つばかりの小さなコーガ岩が斜面にあり、
私は草花で少し覆われていたので、
『光』、『風』、そして『波』、と解釈したのである。


この後は港の前を過ぎて、白い砂浜が水際まで広がっている砂浜に、
私達は下り立った。
里村のエビネの花は散った後の時節、
砂浜の外れにハマユウの小さな花がたわわに咲き、
この付近に私は座り、携帯灰皿を取り出して、煙草を喫ったりした。
そして、快晴の中、前方の波間を観たり、そして彼方の海原を見つめていたりした。

家内は水際を歩き、貝殻を拾い集めたりしていた。

私はぼんやりと、観光協会で頂いた観光ガイドのパンフレットを開き、
昨夜に読み込んだ最後のページを読んだりした・・。

中腹の山すそと思われる雑木林の中に、少し拓けた土の小道があり、
この周辺に海辺の方からの明るい陽射しが射し込み、
前方は蒼い海が彼方まで広がり、そして空は青い空となっている情景の一葉の写真であった。

この写真を背景として、
【・・
日常の暮らしから遠く、空と海をへだてた世界。
 でもどこか懐かしい、そして心躍る、島への旅。
       東京から南へ約150キロの新島。
島に下り立った瞬間に聞こえてくる胸の高鳴り。
  白いコーガ石に囲まれた家々を通り抜けて、
              海岸へと続く道。
木々のあいだ、その先にある水平線の彼方からやってくる。
         潮風と心を通わせ、白い砂浜に一歩足を
                踏み入れてみてください。
   きっと「おかえり」と波の音が答えてくれるでしょう。

          あなたの心に残る感動を。思い出を。
・・】

このように綴られた観光ガイドであり、
新島村役場の産業観光課が発行されたひとつであった。


この詩のようなひとつの散文を深く読み返していたのである。


昼食のお弁当も観光協会の前で頂き、
私達夫婦は付近の長椅子に座り、私はビールを呑みながら食べたりした。
そして、新島港の出港時間の午後1時45分の少し前の集合時間まで、
石段、椅子に腰かけて、燦燦と照る中、海上の蒼い海原を眺めたり、
打ち寄せる光る波間を見つめながら、ビールを呑み続けたりした。

帰路の『セブンアイランド』の船内で、
私は陽射しを久々に浴びて疲れたのか、ビールを呑み過ぎたのか解からないが、
眠りこけたのである。
そして、眠りの中でも、
東海汽船の謝恩企画により、添乗員となった社員の奮闘はもとより、
新島の観光協会、民宿の方たち、村役場の多大なお陰で、
格安な支払い旅費で、たった実質滞在一日の旅であったが、
深く心に残る旅だった、と感謝致します、
と寝言で云ったかは、私には記憶にはかったのである。

                            (終わり)


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愛(いと)しき光と風、そして波打ち寄せる『新島』  ~第三章~

2009-05-13 09:27:56 | 
       第三章 海上から新島を眺めれば

民宿に泊まった翌朝、朝食を海上観光協会の前で頂いた後、
新島を海から眺めましょう、というショートクルーズの特別企画コースがあり、
私達グループは新島港の近くにある黒根港に徒歩で10分足らずに移動した。

平素は新島と式根島の定期航路と使用されている船で、
観光協会の特別のご好意により、私達は新島の南部を海上から眺める特例の航路に乗船できた。

私達は、定期船の展望席の椅子に座ったりしながら、
澄み切った快晴の中、蒼い海原の波間を眺め、潮の香りと匂いを感じ、そして海風を受けながら、
新島港に近い地内島を観たり、かっては陸続きであった式根島を眺め,
蒼い海原をまじかに見ながら、新島の南部の断崖を見つめたりした。

そして、新島の最南端を通り過ぎると、
低い断崖からそびえるように高い絶壁が幾重にも観え、
このすべてが真っ白に彩(いろど)られた断層が果てしないように続き、
私達のグループの数多くの人たちは、思わず歓声をあげながら見惚(みと)れていた・・。
観光協会の若き女性も、
『白ママの断層・・いつ観てもすごい・・』
と小声で呟(つぶや)いていた。

http://www.niijima.com/cgi-local/news/news.cgi?mode=event1

そして私達のグルーフの多くは、デジカメでこの美景を撮ったり、
或いは記念写真として、白ママ断層を背景に微笑みながら、
お互いに撮りあったりしていた。

船はゆったくと10分ぐらい白ママ断層を航路した後、
帰路に向かったが、私は、
『良かったねぇ・・船から眺めると・・蒼い海原を通して・・真っ白な断層が観られる・・
たとえ空から眺めても・・こうした美景は観られないょ・・』
と家内に云いながら、私は白ママ断層の美景を褒めたたえていた。

家内は、そうよねぇ、と云いながら、
遠ざかる白ママ断層を名残りおさそうに見つめていた。



                           《つづく》

次回は島内の海辺の散策を掲載を予定




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