上海料理「夜上海」(Ye Shanghai)
場所は、尖沙咀、広東道のマルコポーロ香港ホテル6階。
ミシュランガイドで星を獲得されたお店になります。(2013年2つ星)
香港到着初日は忙しくなると予想していましたので、予め日本を出る前に
予約を済ませておきました。
高級感を漂わすモダンな店内。
レセプションで予約の旨を伝えご案内いただけたのは店内左手の中ほど、
窓際2人掛けテーブル席。
連れ(寝太郎さん)が窓際をリクエストしてくれていたようです。
ん~、生憎の空模様が恨めしい。
テーブル・セッティングは、位置皿、ナプキン、カトラリーレスト、箸(縦置き)、
スプーン、小皿、小椀、レンゲ。テーブルクロスは1枚掛け。
着座後には、タオル地のおしぼり(トレー置き)とメニューの提供あり。
取り分け用の箸とスプーンもセット。
また、卓上には香酢、ホワイトペッパーのほか口当たりの良いオイルの
ようなものがありました。これ自体が何かは私には不明。
ほか、爪楊枝、XO醤など。
それと、前後しますが着座時には小さな籐製の椅子をいただけたのです。
まあ、ご丁寧にうちのヨンクマ用に・・・・(*^-^)
と思ったら、これは女性客に用意されるバッグ用の椅子なんだそう。
ヨンちゃん、残念!そこはバッグが座る場所なんだってさ。
さて、アラカルトでお願いするかコースにするか考えどころ。
でも、2人だと量はいただけませんよね。困ったわ。
寝太郎さんが、食べ歩きのためオススメ料理などを参考資料等から
ピックアップしたメモ(以下、香港紀行では寝太郎メモと記します)によると、
当店のスペシャリティが上記写真のコース料理にも組み込まれている様子。
勇気をふりしぼり、尚選大閘蟹餐(@950HK$)を注文。
各お料理は2人分が一緒のお皿で供されているものと各人ごとのポーションで
供されているものが入り混じっています。
これは、はじめにサーブされたものだけれど、何かな?
日本で言うところのお通し?
味わいとしては、唐辛子入り切り干し大根のよう。薄味でパリポリ食せます。
当店特製のXO醤。
干し貝柱、干しエビなどはもちろん、蝦子(シャーヅ)も入っていますね。
基本は甘めの味付けですが、まろやかな辛味もあり旨味がすごい。
食べ放題状態なので、私も寝太郎さんも箸が止まらずです。
(ノブロー) 贅沢なXO醤だな。酒の肴にもええよ。
スタッフの方がこれから蒸される大閘蟹を卓上まで持ってこられ、
お披露目あとに、蟹ハサミ、蟹フォーク、手袋、取り皿、蟹用のタレなど一式がセット。
1.涼拌海帯苗 2.葱油海蜇皮 3.花雕酒醉雞 4.鎮江肴肉 5.燻蛋
同時にサーブされたのは、お好みで使えるマスタードと(おそらく)香醋。
酸味が効いています。
(ノブロー) “寝太郎メモ”の料理が花雕酒醉雞、鎮江肴肉だな。
味を見る感じで、ちょこちょこごっちゃんになれるのはありがてえ。
鎮江肴肉
当店は上海料理をはじめ江蘇省、浙江省の料理も味わえます。
鎮江肴肉は中国江蘇省鎮江市の名物料理になるのだそう。
塩漬け豚肉の煮こごりゼリーです。
八角も効いていますが肉の食感も感じ取れ、噛み締めると品の良い甘みもあって
香醋との相性が良い。冷菜の中では一番、口に合いました。
花雕酒醉雞
花雕酒でマリネしたチキン。けっこう酒の味が強いです。
期待したほどのインパクトではありませんでしたが、日本では微妙に味わえない食味。
燻蛋
スモーク香が魅力。でもこれなら日本でもいただけるわ。
個別に写真は撮りませんでしたが海蜇皮の食感が、かなりカリコリとしていて面白かった。
普段は前菜のクラゲにあまりときめかない自分ですが、これなら食したい。
お酒はビールをいただいていたのですが、美味しいXO醤と冷菜で食欲がでてきました。
白ワインをオーダー。
ワインクラーで冷やしていただけます。
しかし、当店「自帯酒水」できるお店だったのですよ。
滞在先のホテル入口近くにはワインを販売しているショップもあったのにうっかりしたわ。
初日のドタバタで気がまわりませんでした。
チェイサーの水は、ヴィッテル(Vittel) 。もちろん有料。
<湯>蟹粉燴燕窩
上海蟹と燕の巣のスープ。
生姜ががっちり効いていますが、一口飲むごとに濃厚で滋味深い。
良い意味で漢方チックなのですが、薬くさいというものではなく、味に深みが
加わっているという印象。 洗練と本場の味のバランス感に優れています。
蒸しあがったようです。運んできてくださったので写真撮らせていただきました。
<主菜>清蒸大閘蟹(一隻)
あの手袋、私達が使うのかと思ったらスタッフさん用だったみたい。
さっと手袋をつけ、ハサミでチョンチョンと食べられない部分を外してくれてサーブ。
一人一杯です。嬉しいなあ♪
お聞きすると、この蟹は男の子(オス)
味噌がだるだる~♪ しっとりさがハンパない。蒸し加減が絶妙です。
(ノブロー) 今年、初の上海蟹だな。それも「夜上海」さんでとは豪勢だで。
(ララ・メイ) ね、ね、アタシも食べたいわ。
無言で蟹ほじりに専念。 この蟹、脚までみっちり身がつまっています。
うまい具合にレア。 鮮度が良いので、蟹自体のコクが全然違う。
ねっとりとして、旨味の強い油っこさがある。
生姜の効いたタレもいただいてますが、この上海蟹のフレッシュな甘みだけで
いただきたい。 手についた味噌まで愛せる極上の味。大満足です
フィンガーボウルとおしぼりもセット。 熱々のおしぼりはちょっとびちょびちょ。
それにしても、食べ終わっちゃったのか・・・。悲しいなあ。
生薑茶 ジンジャーティー
「Ye Shanghai」オリジナルグラス使用。
上海蟹は身体を冷やす食べ物なので、身体を温める効能があるジンジャーティーが
供されるわけです。
が、香港(中国)の生姜は、日本のものとは味が違うように思います。
このジンジャーティーにも、ヒリヒリするぐらいの生姜が効いているのですが、
甘さの砂糖も多め。 ヒリ甘っ。
この辺りのバランスが良く、すごく美味しい
私、ファンになりました。日本の生姜茶もこうあって欲しい。
龍井蝦仁 川エビの龍井茶(ロンジン茶)炒め(2名分)
浙江省の名物料理とのこと。
川エビは卵白を絡ませ油通しをして旨味を閉じ込めています。
ビジュアルがつやつやとして、白さが目に映えます。
一般的にエビの食感はぷりっと、という感じですが、こちらはふんわりというイメージ。
見るからにデリケートな味を想像させてくれましたが、その通りで優しい味わい。
冷えてくると、ややインパクトが弱まる傾向があるため温かいうちにいただくのがベスト。
蟹粉釀蟹蓋
“寝太郎メモ”によると、このお料理も当店を代表するもの。
蟹の甲羅に、卵白、上海蟹肉、蟹味噌、蟹の卵を詰めて焼いたものだそう。
(身体を温める紹興酒も入っているらしい)
清蒸大閘蟹と同じく、生姜の効いたタレもセット。
これも身体を冷やさないようにということ。
スプーンでいただける手軽さはありがたい。
蒸しの濃厚さに比べ焼きは意外にあっさり。
寝太郎さんは、味噌の濃厚さとのコントラストが味のハーモニーになっていると
いう所感のようだけど、私個人としては先ほどのストレートな蒸し蟹の甘さが好み。
冬筍扒時蔬(2名分) 筍と季節の野菜炒め。
ちょっと甘めで味が濃い。
街場感覚のチープさとは一線を画する独特の醤の風味で、仕上げには
水溶き片栗粉を加えとろみをつけてます。
コース料理の中で味の強弱をつけていらっしゃるのかもしれませんが、ご飯に合う感じ。
蟹粉小籠包(2名分)
上海料理の定番、小籠包。下には薄くスライスしたニンジンを敷いています。
肉汁も含み確かに美味しいかと思いますが、突き抜けたものは感じない。
折り目正しく意外とスタンダード。 まあ、こんなものなのかな?
<甜品>合時鮮果盤(2名分)
デザートの前には、クロスの上にナプキンを敷いて下さいました。
清蒸大閘蟹と格闘した際にいろんなものが飛び散り、汚したのかな。
細かいご配慮は、さすがミシュラン星獲得店ですね。
しかし、これには失速。フルーツ盛り合わせですか?
(スイカ、イチゴ、パイナップル、メロン2種)
糖度も低く私には物足りない。 大部分をご辞退しました。
高力豆沙香蕉
柔らかい生地の中にはあんこ入りバナナのようなものがころんと入っていて、
それを揚げている感じ。仕上げに違和感があるぐらいに砂糖がかかっています。
食感としては豆腐、その中にアンコ!!表現のしようがない複雑な味。
ちょっと日本人の味覚に合いづらいものがあるかもしれません。
これとセットだからフルーツの糖度が低いの??と考えさせられる。
私も寝太郎さんも口に合わずでご辞退しました (u_u。)
入口近くの冷蔵ショーケースには、上海蟹と土産用XO豆板醤などが置かれています。
前半快調だったけれども後半からトーンが落ちた感じ。
で、正直なところは甜品でくじけました。
埋單(支払い)は、チップを含め約1人当たりHK$1,500
今回の香港グルメ満足度数は、★★★☆(3.8)
《本日のお気に入り》 ・鎮江肴肉 ・蟹粉燴燕窩 ・清蒸大閘蟹 ・生薑茶
今まで食べ歩きをした中で、上海蟹は当店が最高です。
アラカルト注文だった場合は、また印象が違ったのかもしれません。残念だ。
夜上海 ye shanghai
九龍馬哥孛羅香港酒店六楼
TEL 852-2376-3322
営業時間 11:30~15:00、18:00~23:30(L/O)
年中無休
Ye Shanghai 夜上海 (上海料理 / 尖沙咀 チムサーチョイ)